27日に英
アスコット競馬場で
キングジョージVI世&
クイーンエリザベスステークスが行われる。今年で74回目を迎える伝統の一戦には、これまでに日本からは5頭が参戦している。残念ながら勝利には手が届いていないが、その雄姿を振り返りたい。
最初の
チャレンジャーは69年の
スピードシンボリだった。67年の
天皇賞(春)の勝ち馬。既に6歳を迎えていたが、全く衰えはなかった。当初は前哨戦を使ってから挑む予定だったが、現地で流行していた感冒にかかったため調整が狂い、ぶっつけで参戦。レースは道中で一旦先頭に立ったものの、直線でかわされて5着に終わった。2頭目は同じく「
シンボリ軍団」の
シリウスシンボリ。85年の
日本ダービーを制し、
シンボリルドルフの帯同馬として海を渡る予定だったが、ルドルフが故障したため単独で渡欧。その後、約2年続くことになる欧州滞在の初戦として出走したが、欧州の壁に跳ね返されて8着に沈んだ。
3頭目は00年の
エアシャカールだ。同年の
皐月賞を制し、
日本ダービーが
アグネスフライトからハナ差の2着。
武豊騎手が騎乗することもあって注目を集めたが、勝った
モンジュー(Montjeu)や2着の
ファンタスティックライト(
Fantastic Light)から大きく離された5着に流れ込むのが精いっぱいだった。
そして日本馬として最も勝利に近づいたのが06年の
ハーツクライだった。前年の
有馬記念で
ディープインパクトに初黒星をつけると、年明け初戦の
ドバイシーマクラシックを4馬身差で圧勝。次なる
ターゲットに据えたのが
キングジョージVI世&
クイーンエリザベスSだった。2番人気に支持され、レースでは3~4番手を追走。直線では1番人気のハリケーンラン(
Hurricane Run)、3番人気の
エレクトロキューショニスト(
Electrocutionist)との壮絶な叩き合いに。一度は先頭に立つ場面があったが、最後は競り負けて3着と涙を飲んだ。
その後は12年に同年の
日本ダービー馬である
ディープブリランテが参戦したが8着。19年には2年前の
ジャパンC覇者である
シュヴァルグランが挑んだものの、6着に敗れた。
このように、これまでGI馬ばかりの6頭が参戦しながら、勝利どころか、連対すら果たせていないのが
キングジョージVI世&
クイーンエリザベスSなのだ。英国を、そして欧州を代表する中長距離王を決める一戦。今年は残念ながら日本からの出走はないが、次なる日本からの挑戦者、そして栄冠を勝ち取る馬の登場を心待ちにしたい。