世代最初の中距離重賞とあって、クラシックの登竜門とされる
札幌2歳ステークス(2歳・GIII・芝1800m)だが、96年までは1200mだった。しかし、当時の勝ち馬には
ビワハイジ、
ニシノフラワー、
スカーレットブーケなど名牝がズラリと並ぶのだ。
後にGIを勝った馬は2頭いる。まずは91年の
ニシノフラワーだ。ダ1000mの新馬を圧勝しての参戦。初芝ということも影響したのか、単勝10.4倍の4番人気に留まったが、レースは好位から抜け出して3馬身半差の圧勝。一気にクラシック候補に浮上すると、年末には無傷の4連勝で阪神3歳牝馬Sを制覇。3歳時には
桜花賞と
スプリンターズSを制し、
JRA賞の最優秀4歳牝馬と最優秀ス
プリンターを受賞した。
続いては95年の
ビワハイジである。デビュー戦に続いて
武豊騎手とコンビを組み、番手から後続を突き放し、3馬身半差で勝利。続く阪神3歳牝馬Sでは
角田晃一騎手に乗り替わったが、
エアグルーヴを半馬身抑え、無敗でのGI制覇を成し遂げた。そして母としては
ブエナビスタを筆頭に
ジョワドヴィーヴル、
アドマイヤジャパン、
アドマイヤオーラ、
サングレアル、
トーセンレーヴと6頭の重賞勝ち馬を輩出。競走馬としても素晴らしかったが、名繁殖牝馬として、より広く知られている。
最後にGI馬ではないが、
スカーレットブーケを取り上げたい。90年の札幌3歳Sの覇者で、重賞は4勝。GIでも
桜花賞が4着、
オークスが5着、
エリザベス女王杯で3着と健闘した。さらに繁殖牝馬として
ダイワメジャー、
ダイワスカーレットという超大物2頭を輩出。他にも
ダイワルージュ、
スリリングサンデー、
スカーレットメールなどの活躍馬を送り、孫世代からも
ダイワファルコンが出た。平成を代表する名繁殖牝馬といえるだろう。
芝1800mとなってからは牡馬優勢の
札幌2歳Sだが、このレースから再び名牝、そして名繁殖牝馬が登場することを楽しみにしたい。