「
セントウルS・G2」(8日、中京)
秋の大一番、
スプリンターズS(29日・中山)の行方を占う前哨戦。このレースで連覇の可能性がある唯一の馬が、
テイエムスパーダだ。昨年、15頭立ての14番人気ながら、圧巻の逃走劇で単勝万馬券の大波乱を演出。その後は4戦連続の2桁着順と低迷していたが、前走の
アイビスSDで3着に食い込み、復活の兆しを見せた。重賞2勝の5歳牝馬が17、18年
ファインニードル以来、史上3頭目の連覇に挑む。
思い起こせば1年前。誰もが驚いた衝撃のレースだった。
テイエムスパーダが14番人気の低評価を覆し、圧巻の逃げ切りV。112・6倍の単勝万馬券をさく裂させ、大波乱を演出した。その後は重賞で2桁着順が続くなど順調さを欠いていたが、前走の
アイビスSDではラストまでしぶとく粘り、0秒1差の3着。前年覇者に復調ムードが漂っている。
担当の菅藤助手は「前走の追い切り前くらいから状態がグンと上がってきていたんですよね。動きやトモの張りも良くなっていました」と復調気配を感じていた様子。好走した前走についても「枠も良くスムーズに行けましたし、ラストはもうひと踏ん張りしてくれましたね」と満足そうに振り返った。
最終追いは栗東坂路で単走追い。ラストで少し気合を入れられるとグンともうひと伸びし、4F54秒8-40秒2-12秒1をマークした。「ずっと使ってきていますし、そんなに強い調教は必要ないです。馬も落ち着いています」と同助手は納得の表情を浮かべる。
昨年3月に定年を迎えた五十嵐厩舎から転厩してきた同馬。担当を引き継いだ菅藤助手にとって、昨年の
セントウルSが重賞初制覇だったという。「初めて重賞を勝つことができて思い入れのあるレースです。中京に変わりますが、前走の感じで行って最後まで踏ん張ってくれれば」。二人三脚で積み上げてきた日々。完全復活を証明する。
提供:デイリースポーツ