560kg前後の巨体を揺らしながら、90年代半ばのス
プリント戦線を駆け抜けたのが
ヒシアケボノだ。そんな稀代の大型馬がGI初制覇を果たした95年の
スプリンターズSを振り返る。
ヒシアケボノは
父Woodman、
母Mysteries、母の父
SeattleSlewの血統。半弟には海外G1を2勝した
アグネスワールドがいる。2歳秋に東京でデビュー。惜敗が続いたが、3歳7月に芝1200m初参戦で初勝利を挙げると、そこから破竹の4連勝でオープンへ。京王杯AHは3着、
東京盃は6着に終わったものの、
スワンSを1分19秒8の日本レコードで勝利。重賞ウイナーの仲間入りを果たした。続く
マイルCSは3着。そして迎えた一戦が
スプリンターズSだった。
この年の5月から休みなく使われて12戦目、常識的に考えると出来落ちが心配されるところだったが、
ヒシアケボノには関係なかった。発馬こそひと息だったが、巻き返して中団を確保。4角で大外から押し上げると、直線に向いても勢いは衰えず。残り100mで抜け出すと、2着の
ビコーペガサスに1馬身1/4差をつけてゴール。単勝2.3倍の1番人気に応え、GI初制覇を果たした。この時の馬体重は560kg。
JRA史上最高馬体重でのGI制覇という
オマケつきだった。
この記録は未だに破られていないが、地方のGIを含めると16年の
東京大賞典を
アポロケンタッキーが565kgで勝利。また、現役では600kg前後の
ドンフランキーがダートス
プリント路線を席巻している。
ヒシアケボノの記録がいつ破られるのか、それともまだまだ残るのか、是非とも注目したい。