リベンジの秋だ!
菊花賞トライアル「第72回
神戸新聞杯」が22日、中京競馬場で行われた。2番人気
メイショウタバルが逃げ切り、重賞2勝目を飾った。
ジューンテイク、
ショウナンラプンタと上位3頭に
菊花賞(10月20日、京都)の優先出走権が与えられた。また、中山の「第70回
オールカマー」は1番人気
レーベンスティールが重賞連勝を決め、
天皇賞・秋の優先出走権を手にした。鞍上の
クリストフ・ルメール(45)は中山で3週連続
JRA重賞V。管理する
田中博康師(38)は昨年の
ローシャムパークに続く連覇を飾った。
春の無念を振り払う逃走劇だった。ダービーを左後挫石で出走取消となった
メイショウタバルがひと夏を越して成長した走りを見せた。重賞2勝目。検量室前に戻ってきた浜中は石橋師に迎えられて笑みがこぼれた。「精神的な部分がフレッシュになって、少しずつでしょうけど、大人になってきているのかなと思います」と喜びをかみしめた。
大外枠からのスタート。徐々に加速してハナヘ。促すことはなく、あくまでリズム重視。「ハナにこだわっていたわけではなく、馬の気分に任せました。1コーナーまでうまく入れました」。馬なりで主導権を握った。向正面に入ってからも折り合いを最優先。「スピードを上げ過ぎず緩め過ぎず、コンタクトを大事にして」。巧みにラップを刻んだ。直線に向いても手応え十分。後ろから
ジューンテイクが追い上げてくる。そこからもうひと踏ん張り。半馬身リードを守ってゴールに飛び込んだ。
石橋師は「外枠でフワッと行けたのが良かったのかな。
皐月賞みたいにムキにはなっていなかったしね。よく踏ん張ってくれた。馬に感謝だね」と目を細めた。春は度重なるアク
シデントに見舞われながら、実績を積み上げた。
若駒Sを右前肢ハ行で競走除外となった翌月に
つばき賞を快勝。その後は
スプリングSを予定していたが、フレグモーネで自重。翌週の
毎日杯にスライドして、6馬身差で圧勝した。順調さを欠く中でも折り合い面に向き合い、課題克服に取り組んできた。ダービー取り消し後は夏休み。馬自身がゆとりを持てるようになった。
今後は
菊花賞に向かう予定。さらに4F延長、未知の領域に入っていく。指揮官は「春先の調教より今回の方がうまく折り合っていた。
リラックスして走ることが大事になってくる」と手応えをつかみつつある。再び軌道に乗った
メイショウタバルがラスト1冠でリベンジを完遂させる。
◆
メイショウタバル 父
ゴールドシップ 母メイショウツバクロ(母の
父フレンチデピュティ)21年4月20日生まれ 牡3歳 栗東・石橋厩舎所属 馬主・松本好雄氏 生産者・北海道浦河町の三嶋牧場 戦績7戦4勝(重賞2勝目) 総獲得賞金1億1448万1000円 馬名の由来は冠名+熊本県の地名。
スポニチ