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【地方競馬】地方からも期待の有力馬が挑む新ダート三冠の最終章

  • 2024年10月01日(火) 18時00分
 ジャパンダートクラシックJpnIの選定馬および補欠馬が17日、発表された。事前の段階からフォーエバーヤングラムジェットが出走意思を示した上に、サトノエピックミッキーファイトサンライズジパングなど、JRA勢は錚々たるメンバーが集う。(※以下記事は9月17日時点のもの)

 そして、地方所属馬は、京浜盃JpnIIでJRA勢を完封し、秋の始動戦となった戸塚記念でも23キロ増と馬体が充実した上で6馬身差の圧勝を演じたサントノーレが、地方馬の中で唯一のダートグレードホルダーとして迎え撃つ。

 また、東京ダービーで地方最先着を果たした高知のシンメデージー不来方賞JRA勢を相手に健闘した岩手のフジユージーンなど、南関東以外の強豪の名もある。

 北海道市場では、9月17日からセプテンバーセールが開催し、フジユージーンを管理する瀬戸幸一調教師とお会いした。「正直、もっとやれるという思いがあったので、4着という内容には悔しさがあります。ただ、強い馬と戦っていくことで、フジユージーンがもっと逞しくなると思いますし、ジャパンダートクラシックは前向きに考えています」と話していた。

 また、シンメデージーは元々ジャパンダートクラシックJpnIを目標に、秋は西日本3歳優駿から始動するローテーションを組み、大差勝ちと好発進。打越勇児調教師は「三冠を獲ったプリフロオールインと(調教で)併せて、一度も先着したことがないなど、『これは走る!』という思いをデビューするまでは正直抱かなかったんです。ただ、デビュー戦での内容から、実戦タイプだと認識し、こちらが思っている以上の成長を遂げています。東京ダービーでの走りも驚きましたが、ジャパンダートクラシックはさらに、JRA勢も強力になりますので、調整もさらに負荷を掛けなければ……と思っています。ただ、この舞台に自分が携わらせて頂いている馬で挑めることに、感謝しかありません。精一杯頑張ります」と、闘志を秘めている。

 戸塚記念で圧勝した直後、サントノーレをNARグランプリ2歳最優秀牡馬受賞に育て上げた田中淳司調教師と話をした。「次を見据えているにしても、大幅に馬体が増えている中で、始動戦を圧勝したのは良かったですね。川崎のコーナーを考えると、内枠だったのでレースもしやすかったと思いますが、笹川翼騎手が上手にエスコートしていましたね」とレースを振り返る。

 荒山勝徳調教師は「馬体増は成長分はあるにしても、目標は次ということはオーナーサイドにも伝えていましたし、余裕残しの状態でどこまで戦えるかという形でレースを観ていました。休み明けの影響か、掛かり気味でしたが、その中で圧勝し、笹川騎手から次元が違うという言葉も出たように、JRA勢に割って入れるぐらいの力をつけていると思っています。JRA勢を迎え撃つ立場として頑張りたいと思います」と、レース後のインタビューで話していた。

 普段は弱気なコメントが多い荒山調教師から、打倒JRAを意識させたように、サントノーレにとってひと夏を越した成長ぶりは目を見張るものがある。

 ライトウォーリアのコリアカップG3参戦を含め、新ダート体系のスケジュールが進むにつれ、目的意識の高い地方競馬関係者が増えている印象がある。その中にあって、ダート三冠最終章となるジャパンダートクラシックJpnIへ、地方競馬関係者が強い意志を持って出走する姿勢は、我々も願っていたことであり、逞しく感じる。

 ダート三冠はもちろん、新ダート体系を競馬ファンに浸透させる上でも、豪華メンバーが揃うスケジュールとなったジャパンダートクラシックJpnIの意義は大きい。この日ばかりは、ファンの皆さんと同じような高揚感でレースの時を待つだろう。

(文:古谷剛彦)

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