JRAは11日、騎手として重大な非行があったとして騎乗停止となり、引退届を提出した藤田菜七子騎手(27=美浦・根本)について、騎手免許の取消申請を受理したと発表した。申請受理により正式に現役騎手引退が決定。藤田は昨年5月に行った最初の聴き取り調査の際、虚偽の申告をしていたことが明らかとなった。
藤田を巡っては、10日発売の週刊文春が藤田の通信機器不正使用を報道。
JRAは9日午後5時頃に本人と連絡を取り、通信機器の使用の有無を藤田に事情聴取をしたところ、他者との通信を認めた。本人に11日からの一時騎乗停止処分を伝えた際に、引退の意思を伝えられた。10日付で騎手免許取り消し願いを受け取り、この日受理。「藤田菜七子 騎手の引退」を正式発表した。
若手騎手のスマートフォン不適切利用による違反・処分が多発している中、藤田は
JRAに対し、スマホ利用を巡り虚偽の申告をしていた。
JRAは昨年5月、
今村聖奈ら若手騎手6人のスマホ不適切利用が発覚した際、全騎手に対して「通信機器の不適切使用経験の有無」を調査。その際に藤田はただ一人、自己申告で違反を申し出た。当初は「TwitterとYouTubeを使用した」と明かし、
JRAは藤田を厳重注意。この処分については「指導であり注意。施行規程上の処分ではない」として公表しなかった。
その後、文春の報道を受けた聞き取り調査で、藤田は他者との通信を認めた。連絡を取ったのは「厩舎関係者」だといい、藤田は職員ではないと主張している。また本人は「(違反をした日)以降は開催日に調整ルーム居室内に携帯は持ち込んでいない」と話していたが、現時点で事案の数は調査できていない。
松窪隆一審判部長は、今回の処分について「当時の聴き取り調査では、他者との通信はしていないと言っていたが本当はそういうことがあった。虚偽の申告をしていたことが大きかった」と説明した。
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