「アルテミスS・G3」(26日、東京)
またしても名手の手綱がさえ渡った。数々の名牝を生み出した登竜門を制したのは3番人気の
ブラウンラチェット。秋競馬に入り、絶好調モードに突入したルメールは、この秋だけで
秋華賞&
菊花賞のG1・2勝を含む重賞8勝目をマークした。
パーフェクトな立ち回りだった。好スタートを決めると3番手のインで逃げる
ミストレスを見ながらレースを進めた。抜群の手応えのまま直線を迎えると、内からさばいて一気にスパート。鮮やかな差し切りで1馬身1/4差をつけた。ルメールは「落ち着いていたし、完璧なレースをすることができた。自分のリズムで走って、抜け出す時はいい反応をしてくれた」と相棒の走りをたたえた。
手塚師はキャリア2戦目の牝馬が見せた堂々とした立ち回りに「何も言うことはない。大人びたレースをしてくれた」とセンスあふれる走りを絶賛。「私も多くの馬を預かってきたけど、牝馬でここまで競走に向いている馬はいない。これは大きなアドバンテージになります」。数々の名馬を管理してきたトレーナーにここまで言わせるほど、2歳牝馬離れした精神力の強さがある。
昨年の
チェルヴィニアに続き、連覇を達成した鞍上は「まだ伸びしろはあるし、
トップレベルに行ける」と高く評価。世界を相手にダートで快進撃を続ける
フォーエバーヤングを異父兄に持つ良血馬が、兄とは違った芝のステージで頂点を目指す。
提供:デイリースポーツ