伝統のハンデG2「第62回
アルゼンチン共和国杯」が3日、東京競馬場で行われた。白毛8歳馬
ハヤヤッコが差し切って19年
レパードS、22年
函館記念以来の重賞3勝目を挙げた。8歳馬の芝重賞V(平地)は21年
マカヒキ(
京都大賞典)以来、3年1カ月ぶり。鞍上の
吉田豊(49)は22年
中山記念以来の重賞勝ちとなった。
アイドルホースはまだまだ健在だ。白毛の
ハヤヤッコが最後方から懸命に脚を伸ばす。割れんばかりの歓声が沸く。85年
イナノラバージョン以来、39年ぶり2度目の8歳馬Vゴール。しかも最重量58・5キロで勝った。69歳、国枝師も愛馬の激走に笑いが止まらない。「びっくりだよ。大した馬だね。頭が下がります。俺も見習わなければいけないね」と愛馬を称えた。
テンで置かれて後方に。「先生と“ゲートから出していかないと”と話していたのですが…。やっぱり馬が進んで行かずイメージより後ろになってしまいましたね」(
吉田豊)。それでも道中のリズムは上々。しっかり脚をためて、しまいに懸ける。大外に出した直線は純白の馬体を揺らして力強い伸び。自分より若い15頭を差し切った。
22年7月
函館記念以来、2年4カ月ぶりのV。テン乗りで好エスコートの鞍上は「切れるタイプではないと思っていたが、1完歩ずつしっかり伸びてくれた。最後は左手前に替えて、よくしのいでくれた。おじいちゃんだけど頑張ってくれましたね」と賛辞を贈る。意外にもこのレースは初勝利となった名伯楽は「今回はずいぶんとやる気があった。装鞍の時から元気いっぱいだったんだよ。気分良く行けさえすれば…。やる時はやるんだね」と能力を再確認した。
冬景色に白毛が映える。そんなシーンが見られるのか。国枝師は「8歳だしね。どこかデカいところに行きたい」と
有馬記念を含めてG1への思いをほのめかした。復活を遂げた白毛馬初の
JRA重賞勝ち馬。衰え知らずの
ホワイトホースがまた新たな1ページを刻んでいく。
◆
ハヤヤッコ 父キングカメハメハ 母マシュマロ(母の
父クロフネ)16年2月10日生まれ 牡8歳 美浦・国枝厩舎所属 馬主・金子真人ホールディングス 生産者・北海道安平町のノーザン
ファーム 戦績42戦7勝(重賞3勝目) 総獲得賞金3億614万円 馬名の由来は速くて白い。
スポニチ