◆第44回
ジャパンカップ・G1(11月24日、東京競馬場・芝2400メートル)
第44回
ジャパンC・G1は24日、東京・芝2400メートルを舞台に行われる。日本勢は今秋での引退を表明し、
天皇賞・秋を豪脚で制した
ドウデュースなどG1馬7頭が参戦。海外からも
ディープインパクトの最終世代の産駒でG1・6勝を挙げる
オーギュストロダン、今年の
キングジョージ6世&
クイーンエリザベスSを制した
ゴリアットなど強力メンバーが集まった。まさに世界決戦だが、「考察」担当の角田晨記者が
プロローグで思い描いたのは3歳牝馬だった―。
イクイノックスが制し、「23年ロンジンワールドベストレースホース」に選ばれた“伝説”のレースから1年。世界の頂点となったビッグレースを制圧すべく欧州からトップホースが3頭参戦し、迎え撃つ日本勢もG1馬7頭とまれに見る豪華メンバーとなった。
胸が躍る出走表を前にして、記者によみがえるのは12年の興奮だ。中心視されていた
オルフェーヴルは同年の
凱旋門賞で首差の2着に敗れ、これが国内復帰戦。日本のホースマンの夢を打ち砕いた
凱旋門賞馬
ソレミアも参戦し、リベンジマッチに競馬ファンの話題は持ちきりだった。さらに同年の3冠牝馬
ジェンティルドンナ、
天皇賞・秋で復活勝利を果たした
エイシンフラッシュなどG1戦線を盛り上げた主役たちが勢ぞろい。
ため息のもれるような競演を制したのは、
ジェンティルドンナだった。直線は最内に進路を取り、横を上がってきた
オルフェーヴルと残り250メートルから競り合う展開に。激しく馬体を併せると年上の3冠馬をひるませ、鼻差競り勝った。なんたる勝負根性の強さ。キャリアでG1・7勝を挙げ顕彰馬にも輝いた才媛は、初の古馬混合戦で衝撃のレースぶりを披露した。
能力の高さは言うまでもないが、古馬の牡馬より4キロ軽い斤量が有利だったのも間違いない。18年にも
アーモンドアイが制しているように、
トップレベルの3歳牝馬にとっては大きすぎるアドバンテージ。今年は2冠牝馬
チェルヴィニアがその恩恵を受ける。
イクイノックスを管理した木村調教師が「初めて坂路を上がるのを見たときから、過去に管理したトップホースに並ぶものがあると期待していた」と絶賛した素質馬。
オークスで手前を替えてからグンと伸びたように左回りで真価を発揮する
サウスポーにとって、東京2400メートルは最高の舞台といっていい。美浦トレセンで見ていても、馬体はますます引き締まりついに完成の時を迎えた印象を受ける。偉大な先輩たちに肩を並べる時は近い。(角田 晨)
スポーツ報知