新種牡馬の
ルヴァンスレーヴが勢いに乗ってきた。当初は
ナダルや
サートゥルナーリア、
アドマイヤマーズの影に隠れていたが、ここまでに7頭が勝ち上がり。4日の
JBC2歳優駿を
ソルジャーフィルドが制し、早くも重賞勝ち馬の父となっている。そんな
ルヴァンスレーヴの軌跡を、自身の唯一の
JRA・GI制覇となった
チャンピオンズCを前に振り返る。
ルヴァンスレーヴは
父シンボリクリスエス、
母マエストラーレ、母の
父ネオユニヴァースの血統。同時代に活躍し、20年の
チャンピオンズCを制した
チュウワウィザードはいとこ、18年の
クイーン賞覇者の
アイアンテーラーは叔母にあたる。
通算成績は10戦7勝。2歳夏のデビューから新馬、
プラタナス賞、
全日本2歳優駿と3連勝。3歳初戦の
伏竜Sで
ドンフォルティスの2着に敗れたが、続く
ユニコーンSで
JRA重賞初制覇。
ジャパンダートダービーで3歳ダート王の座に就くと、古馬との初対決となった
南部杯も快勝。そして迎えた一戦が
チャンピオンズCだった。
単勝1.9倍の圧倒的1番人気に推された
ルヴァンスレーヴは横綱相撲を見せた。五分のスタートから好位のインを確保。そのポジションをキープしたまま勝負所へ。あとはスペースを見つけるだけだった。残り400mを切って前が開くと、
M.デムーロ騎手の
ゴーサインに応えて先頭へ。一気に後続を突き放すと、2着の
ウェスタールンドに2馬身半差の完勝を収めたのだった。
4歳になって
フェブラリーSからドバイワールドCに向かう予定だったが、脚元に不安が出たため回避。休養は長引き、復帰は1年半後の
かしわ記念だった。ここで5着に敗れると、続く
帝王賞でも10着に大敗。結果的にこれがラストランとなった。
ケガに泣いて輝きを取り戻すことはできなかったが、3歳時のパフォーマンスはまさに圧倒的といえるものだった。夢の続きを見せてくれる産駒の登場を心待ちにしたい。