11月13日に騎手免許を取り消され、引退した永野猛蔵元騎手への調査の過程のなかで、9月27日に美浦トレセン調整ルーム内で通信機器(スマートフォン)の使用が判明していた
小林勝太騎手=美浦・
小野次郎厩舎=の裁定委員会が28日に行われ、10月8日から来年10月7日まで12か月の騎乗停止の処分が下されたことを同日、
JRAが発表した。
同騎手はスマートフォン1台を預けたうえで、もう1台を意図的に持ち込んでいたことが明らかになっている。今回の発表では、今年2月16日から9月28日までのあいだ、調整ルーム入室義務期間中に、トレセン及び競馬場の調整ルームの居室内に継続的にスマートフォンを持ち込み、他者との通信を行った。また、10月7日の事情聴取の際、虚偽の申告をして当該スマートフォンを提出せず、証拠隠滅を図ったとしている。
また、8月2日に酒気帯び運転による物損事故を起こした
松若風馬騎手=栗東・
音無秀孝厩舎=は、この日の裁定委員会で8月3日から来年2月2日まで6か月の騎乗停止となった。
今年は騎手による通信機器関連の不祥事が相次いで発覚しており、今年5月には3年目の
水沼元輝騎手=美浦・
加藤和宏厩舎=に不適切使用と偽装工作が判明し、来年2月28日までの9か月間の騎乗停止処分が科せられた。
永野元騎手は1年4か月にわたる継続的な通信機器での通信が発覚したうえに、親族に対して馬券予想行為を行っていたことが判明。12か月の騎乗停止処分決定後に同騎手から騎手免許取消願が提出され、受理されて引退となった。
さらに藤田菜七子元騎手は、10月9日、文春オンラインによる報道で昨年4月頃まで複数回にわたり、調整ルーム内に通信機器を持ち込んで通信していたことが判明。同11日から騎乗停止処分を受け、同日に引退届を提出した。また、
佐々木大輔騎手=
菊川正達厩舎=と
横山琉人騎手=美浦・
相沢郁厩舎=は、調整ルーム内への通信機器の持ち込みは確認されていないが、通信行為に間接的に加わっていたとして12月13日まで30日間の騎乗停止の制裁が下されている。
スポーツ報知