JRAは28日、第2回裁定委員会を開催し、
小林勝太(22=小野)に対して日本
中央競馬会競馬施行規約第67条第17号及び日本
中央競馬会競馬施行規程第147条第20号により、平成以降では最長となる12カ月(24年10月8日から25年10月7日まで)の騎乗停止処分を科した。
小林勝は調整ルーム入室義務期間である9月27日、美浦トレセンの調整ルーム居室内にスマートフォンを持ち込み
永野猛蔵元騎手と通信していたことが判明。この事実をもとに
JRAが小林勝を事情聴取したところ、所有する2台のスマートフォンのうち1台を持ち込んでいたことを認めた。松窪隆一審判部長によると10月7日の聴取の際、当該スマートフォンの提出を求めたが「(本人は)売却した。電話番号も覚えていない」と提出を拒否。その後も複数回、売却証明書の提出を求めたが応じなかったという。その過程で虚偽申告が疑われたため継続的に聴取を行ったところ、実際は売却していないことが判明。隠し持っていたスマートフォンを提出させ確認した結果、LINEの履歴から24年2月16日から9月28日までほぼ毎週、調整ルーム入室義務期間中に他者と通信していた事実が確認された。今回の処分について、松窪審判部長は「虚偽申告などで結果的に調査期間が長引いた。証拠隠滅などの悪質性を加味した」と説明した。
これを受け
JRAは3つの再発防止策((1)調整ルーム入室時に手荷物検査を実施、(2)土日の競馬場間の移動、また騎乗日朝のトレセンから競馬場への移動の際に調整ルーム到着時にスマートフォンの履歴を調査、(3)調整ルーム居室時の抜き打ち検査)を講じると発表。(1)、(3)では金属探知機も導入予定で準備が進められている。これらの対策は来月以降、速やかに開始される予定。なお、電波妨害を伴う対応については競馬開催に与える影響などを考慮し、今後も慎重に検討されるという。
スポニチ