引退競走馬たちによる馬術大会「RRC(Retired Racehorse Cup・引退競走馬杯)」のファイナル最終日が1日、東京都世田谷区の
JRA馬事公苑で開催された。大会には今年、パリ2024オリンピックで92年ぶりとなる銅メダルを獲得した総合馬術団体日本代表“初老
ジャパン”のメンバーも登場。引退競走馬とタッグを組み、世界を沸かせた人馬一体の技を披露した。
今回出場したのは田中利幸選手(乗馬クラブクレイン千葉富津)と北島隆三選手(同)。2選手とも馬場馬術、
クロスカントリー、障害馬術の3種目を3日間かけて行う総合馬術に挑んだ。
田中選手は現役時代地方に所属し、2年連続のファイナル出場だった
ヴィクトリー(現役当時は
ユキノヴィクトリー)の手綱をとって5位入賞を果たした。2日間を終えて3位につけたが、最後の障害馬術での4点減点が響いた。「3日間がんばってくれたが、最後に落としたのが悔しい」と唇をかんだ。
RRCは初出場だった田中選手。またタッグを組んだ
ヴィクトリーとの練習期間も月曜日からと短い期間となった。「まだ4歳と幼く完成されていない馬だが、大きい大会に出て結果を残してくれた」と相棒にねぎらいの言葉を送り、RRCについては「馬に優しい競技。引退競走馬が別の舞台でパフォーマンスできる場になっているので、第二の馬生を歩むいい機会になってくれたら」と期待した。
また北島選手は22年八代特別を制して3勝クラスまで勝ち上がった
ウエストンバートとコンビを組んで6位だった。障害は得意な方だと感じていたものの、最後日の減点が明暗を分ける結果に。それでも「普段乗っていない馬でしたが、楽しく競技ができました」とやり切った表情を見せた。
両選手ともパリ2024オリンピック後では初の日本国内での試合。北島選手にとっては東京2020オリンピック以来だったという。「たくさんのお客さんも来てもらい、いい雰囲気だった」と話し、今後に向けては「もっともっと馬の魅力を伝えていければと思う。競馬ファンも馬術ファンの方も興味を持ってもらえるよう活動を頑張りたい」と意気込んだ。
今大会には“初老
ジャパン”で監督を務めた根岸淳氏(同)も選手として参戦。
JRAで平地と障害でそれぞれ2勝を挙げ、障害重賞にも出走経験のある
サンティーニとのタッグで11位だった。