ターコイズステークス(3歳上牝・GIII・芝1600m)は重賞となって今年で10回目を迎える。年末の中山開催を彩る重賞として定着した一戦。このタイミングで3連単が290万円超えの大波乱となった15年のレースを振り返ろう。
重賞への格上げ初年度とあって、格付けがなかった一戦、戦前はかなりの混戦模様だった。1番人気には4.1倍で
カフェブリリアントが推されたが、近3戦は5着、7着、3着。決して絶対的な存在ではなかった。単勝10倍未満は5頭。最低人気の
ダンスアミーガでも50.6倍だから、どの馬にもチャンスがあるメンバー構成だった。
レースは
オツウの逃げで幕を開けた。2番手に
シングウィズジョイ、3番手に
ダンスアミーガ。
カフェブリリアントは中団から。
ディープジュエリー、
ノボリディアーナなどの人気馬は後方から運んだ。前半1000mは61秒1。古馬のマイル重賞では異例の超スローペースだった。
迎えた直線、後続が追い上げを図るが、序盤で楽をした逃げ先行勢が止まらない。残り200mで11番人気の
シングウィズジョイが先頭へ。そのまま押し切って、同年の
フローラSに続く重賞タイトルを獲得した。2着争いは伏兵2頭の競り合い。最低人気の
ダンスアミーガが、逃げたブービー人気の
オツウをアタマ差かわしたところがゴールだった。人気馬は総崩れとなり、3連単は今もレース史上最高配当の295万4680円。牝馬限定のハンデ重賞らしい、大波乱となったのだった。