1勝クラスと侮るなかれ、
ひいらぎ賞(2歳・芝1600m)からは数々のGI馬が誕生している。とりわけキャリア1戦でここを制した馬からは目が離せない。中山芝1600mに固定された88年以降の該当11頭に限ると、
サクラチトセオー、
アサクサデンエン、
ダノンキングリー、
シュネルマイスターの4頭のGI馬を含め、6頭が重賞を制しているのだ。
そこで今年は
デンクマール(牡2、美浦・
田中博康厩舎)に要注目だ。父
モーリス、
母リリーノーブル、母の父
ルーラーシップの血統。母は重賞にこそ手が届かなかったが、17年の阪神JFで2着、18年の
桜花賞で3着、
オークスで2着。
アーモンドアイや
ラッキーライラックと何度も好勝負を演じた。また、曾祖母の
バプティスタは98年の
桜花賞トライアル・ 報知杯4歳牝馬特別の3着馬。4代母の
ビーバップは90年の
クイーンS、91、92年の
関屋記念で2着の実績がある。
10月東京の新馬(芝1800m)でデビュー。最終追いで
レモンポップに先着したことで話題を集め、単勝1.4倍の圧倒的1番人気に推された。そしてその支持が間違いではなかったことを、結果で証明する。好スタートからゆったりとしたペースで逃げると、直線で鋭く加速。ラスト2Fを10秒9、11秒1でまとめて、3馬身半差の圧勝を収めた。勝ち時計の1分47秒7も上々だが、それでいて手応えには余裕があったので、まだまだ短縮が可能。544kgの大きな馬体も迫力があり、相当なポテンシャルを秘めていることは間違いない。
レモンポップが引退した
田中博康厩舎の次世代エースに上り詰めることができるか。いずれにしても今回が、今後を左右する一戦となりそうだ。