2歳女王決定戦は好調コンビにお任せあれ。「第76回
阪神ジュベナイルフィリーズ」はあす8日、今年は京都競馬場で開催される。先週スポニチ賞ステイヤーズSを◎△△で3連単25万超の特大馬券を仕留め、昨年のこのレースも馬単4350円をヒットした田村達人(32)は
クリノメイにぞっこん。無敗3連勝での戴冠に熱視線を送る。一方、先週チャンピオンズCで3連単的中の出田竜祐(44)は
ショウナンザナドゥで3週連続G1的中を狙う。
ほれた女の子を追い続ける。3戦連続で本命を打つ無敗馬
クリノメイと出合ったのは夏の北海道出張。人懐っこい栗毛。初めて馬房で見た印象はシンプルに可愛かった。デビュー前から函館で稽古をつけていた荻野琢や亀田が口をそろえて「いい馬」と絶賛。身のこなしが柔らかく、バネを感じさせる走り。評判は高かった。
新馬戦は好スタートを決め、3番手から押し切った。北海道で続戦するプランもあったが将来性を見込み、焦らずに間隔を取った。中山に遠征した2戦目の
サフラン賞は中団インで脚を温存。4角手前で瞬時にギアを切り替え馬群の外へ。直線は力強く急坂を駆け上がり、逃げ粘った2着馬をゴール前で鼻差捉えた。新馬戦、2戦目と全く違った
スタイルで勝利。乗り手に従順で、鞍上の指示に応えられる高い身体能力を兼ね備えている。
ここ2走、持ち前の器用さと勝負根性で札幌、中山の小回りに対応しているが、ス
トライドの大きさから本質的には伸び伸びと走れる広いコース向き。3角の下り坂を利用して、徐々に加速できるこの舞台はピッタリ。コース替わりはプラスに捉えている。
前走後、元気いっぱいに検量室前に引き揚げてきた姿を見て、心肺機能の高さと同時に、自分の世界を持っていて、まだ幼さも感じた。パフォーマンスを最大限に引き出せるメンタルが最も大事。記者席でドキドキしながら見届けた4日のCWコースの最終追いは我慢が利いていた。あえて全体時計を抑え、しまいの伸びを確認。6F86秒3~1F11秒3で十分、精神面の安定と出来の良さが伝わった。
鞍上の荻野琢はレースで初騎乗だがデビュー前の北海道からコンタクトを何度も取り、特徴は熟知している。真ん中の6枠11番をゲット。並びを見ると、1つ内は1番人気が予想される
ブラウンラチェット、それを徹底マークしながら運べる。色気を持たず、ついていって直線を迎えるだけ。メイちゃんなら差し切れる。(11)から。 (田村 達人)
◇田村 達人(たむら・たつと)1992年(平4)11月12日生まれ、大阪市城東区出身の32歳。高校卒業後に北海道新ひだか町ケイアイ
ファームへ。育成&生産に携わる。予想
スタイルは取材の感触。阪神JFは22年
リバティアイランド、昨年
アスコリピチェーノと本命馬が連勝中。
《リーディング首位 好調須貝厩舎勢い》
クリノメイを管理する
須貝尚介師(58)は今年
JRA52勝、友道師に2勝差をつけリーディング首位を走る。阪神JFは相性が良く、過去6頭を起用して12年
ローブティサージュ、13年
レッドリヴェールの連覇に20年
ソダシを合わせて3勝。先輩の背中を追いかけ、
クリノメイが2歳女王へ。好調厩舎の勢いが後押しになる。
スポニチ