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56歳の熟練名手が語る有馬記念 22歳で思い知った馬の「格」

スポニチ
  • 2024年12月09日(月) 12時16分
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 今年も年末の大一番、G1・有馬記念(22日、中山芝2500メートル)が迫ってきた。YouTubeのJRA公式チャンネルでは「Jockey横山典弘が語る有馬記念」が公開されている。

 横山典が初めて有馬記念に騎乗したのは22歳だった90年。パートナーはメジロライアンだった。結果は2着。レースを制したのは武豊騎乗でラストランを飾ったオグリキャップだった。

 勝ち時計2分34秒2は同日の条件戦より遅いタイム。横山典は「馬っていうのは時計じゃないんですよね。格っていうのもありますし。時計だけラップだけの競馬、一人だけで走っていると違うんですけど、やっぱり強い馬たちと併せると萎縮したりとか」と説明する。

 「あの時は本当に僕の馬もよく頑張ったし、内からホワイトストーンも上手な競馬をしていても、かなわなかったのは格の違いだなと思いました」と振り返り、「若い時はただ負けただけで『クソッ』と思いながら、どうにかならなかったかなと思いましたけど、今、長く乗れば乗るほどやっぱりオグリキャップの凄さがよく分かりますよね。『怪物』ってあだ名がつくんですから。ライアンは『怪物』ってつかなかったですから。そりゃ負けちゃいます」と続けた。

 初勝利は96年サクラローレル。「前の天皇賞(秋)が僕のふがいない騎乗で負けたんでね。境勝太郎先生が怒ってはいたけど、もう1回継続して乗せてくれたんで。僕の馬が一番強いと分かっていたんで、本当に負けられないレースでした」とし、「サクラローレルって本当に強い馬だったんで。普通に回ってきてくれれば、その普通っていうのが本当に大変なんですけど、馬の邪魔さえしなかったら勝つだろうと思っていた。うれしいというより、あの時はホっとしましたね」と当時の胸の内を明かした。

 98年セイウンスカイは4着。「一番後悔したのはセイウンスカイでしたね。ちょっと馬場も悪くて、特殊な馬場だったんでちょっと内をあけて。リズムは悪くなかったと思うんですけど、今思うとラチ沿いを走らせてやれば。もっともっとセイウンスカイを信用して気持ちよく乗ってやれば良かったなと思いましたね」。05年3着だったリンカーンについては、「直線までほんとうまくいっていたんでね。最後の進路取りが内つくか外いくかの。あそこもっときれいにすんなり抜けて来たら結構、きわどい勝負になったと思ったんでね。あれも悔しかったですね」と話した。

 「悔しい思いしかないですね」と言う56歳は今年、JRA・G1最年長勝利記録をもたらしたダービー馬ダノンデサイルとコンビを組む予定。「勝てればみんなハッピーですし、楽しめるようなメンバーになって楽しめるようなレースになってくれると。そこに自分が勝てるところにいると最高ですね」。JRA歴代2位の2955勝(9日現在)を挙げる56歳の名手が、静かに闘志を高めている。

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