今年の
有馬記念(3歳上・GI・芝2500m)は
ドウデュース(牡5、栗東・
友道康夫厩舎)の連覇なるかが最大の注目点だ。ただ、過去68回の歴史で2年連続戴冠を成し遂げたのは僅かに4頭のみ。古い方から69~70年の
スピードシンボリ、84~85年の
シンボリルドルフ、98~99年の
グラスワンダー、02~03年の
シンボリクリスエスである。そこで、この機会に03年の
シンボリクリスエスが勝った一戦を振り返ろう。
シンボリクリスエスは名門・
藤沢和雄厩舎所属の
Kris S.産駒。3歳時に
天皇賞(秋)でGI初制覇を果たすと、
ジャパンCの3着を挟み、
有馬記念で2つ目のタイトルを獲得。02年の
年度代表馬に選ばれた。そして4歳を迎え、始動戦の
宝塚記念こそ5着に終わったが、秋初戦の
天皇賞(秋)で連覇を達成。
ジャパンCでは前年に続く3着に終わったが、不動の主役としてラストランの
有馬記念に挑んでいた。
単勝2.6倍の1番人気に推された一戦、
シンボリクリスエスは生涯最高のパフォーマンスを見せる。レースはハイペースで流れたが、
シンボリクリスエスとペリエ騎手は慌てず騒がず中団追走。そして楽な手応えのまま、3角で前に取り付くと、4角手前では2番手に浮上。直線に向いて先頭に立つと、ここからは独壇場だった。後続をグングンと突き放すと、2着の
リンカーンに9馬身差の圧勝。勝ちタイムは2分30秒5のレコードという驚愕の内容のラストランだった。
あれから21年、
ドウデュースは
シンボリクリスエスと同じく前年の覇者として、ラストランの一戦に挑む。偉大な先輩と同じように、衝撃の走りを見せてくれることを楽しみにしたい。
【
有馬記念で連覇を達成した馬】
・
スピードシンボリ(69~70年)
・
シンボリルドルフ(84~85年)
・
グラスワンダー(98~99年)
・
シンボリクリスエス(02~03年)