有終
ドウデュースに待った!!24年
中央競馬の総決算「第69回
有馬記念」(22日、中山)まであと4日。大団円を目指す
武豊の前に立ちふさがるのは、暮れの
グランプリ3勝の名手
クリストフ・ルメール(45)だ。05年には
ハーツクライで
ディープインパクト、16年には
サトノダイヤモンドで
キタサンブラックと
武豊騎乗の人気馬を撃破してきた。今年は
菊花賞馬
アーバンシックで逆転に手応えありだ。
「ルメール不足」。今年、ネット上で大いに盛り上がったワードだ。競馬ファンが選ぶ流行語大賞があるなら、24年の最有力候補に挙げられたはず。
今年の
中央競馬もルメールの存在感が際立った。先週も5勝を挙げ172勝。2年連続7度目の騎手リーディングを事実上確定させている。「いい馬にたくさん乗せてもらってるからね。感謝しています」と謙虚に笑ったが、鼻高々だ。
今年のG1は
オークス、
秋華賞(ともに
チェルヴィニア)、
菊花賞(
アーバンシック)の3勝。昨年の7勝に比べれば物足りなかったが、ビッグレースでは常に声がかかる。あらゆるレースが彼を中心に回っていた。
「ルメール不足」を実感させたのが、10月の
菊花賞。前走で手綱を取っていた馬が1〜3着を独占。選んだ
アーバンシックが鮮やかに突き抜け、戸崎に乗り替わった
ヘデントールは2着。
武豊に渡った
アドマイヤテラが3着。有馬V経験のある名手も完全な引き立て役となってしまった。
「ルメール不足」は今年の
有馬記念も同様。昨年彼が騎乗し
ドウデュースに肉薄した
スターズオンアースは川田、反撃を期す
レガレイラも戸崎に手綱を譲る。米G1・
BCターフでコンビを組んだ
ローシャムパークともお別れだ。結果的に選んだのが
菊花賞馬
アーバンシック。
セントライト記念、
菊花賞で手の内に入れ、ぞっこんの様子。
有馬記念は「特別なレースで特殊なコース。(枠順)抽選が大事」と前置きした上で手応えを語った。
「中山は何回も使っているし、スタミナもあるから2500メートルはちょうどいい。秋からグッと良くなり、気性的にも成長。乗りやすくなった。古馬とやるにはレベルアップが必要になるけど、この馬も力をつけている」
もちろんラ
イバルには大本命馬を挙げた。「
ドウデュースは素晴らしい馬。負かすのは非常に難しいけど、僕の馬にもチャンスはある。自信を持って乗る。恐らく
ドウデュースの近くからの競馬になるかな」
過去10年の有馬でルメールは【2・3・2・2】(14年は不出場)。3着内率は驚異の・778を誇る。「一年最後のG1。
有馬記念と
ホープフルSは何としても結果が欲しい」と貪欲だ。名手が再び「選んだ」3歳の新星が王者
ドウデュースに真っ向勝負を挑む。
《武井師全幅の信頼》
アーバンシックを管理する武井師もルメールの手腕を評価する。「実際はかなり難しい馬だが、クリストフは最初から“乗りやすい馬”と言ってくれた。3歳馬は乗馬の世界だとまだ調教も始めていない時期。何かしら人に頼る必要があるが、彼は馬の意識を人に集中させられる。単純に馬乗りがうまい。彼が乗った馬は返し馬から凄くいい走りになる」と、全幅の信頼で愛馬の手綱を任せる。
《
武豊のディープ&キタサン撃破に続く!》ルメールは05年
有馬記念を
ハーツクライで制し
JRA・G1初制覇。当時7戦無敗だった
武豊騎乗の3冠馬
ディープインパクト(2着)に、初めて土をつける大金星だった。16年は同年
菊花賞馬
サトノダイヤモンドでV。前年
菊花賞馬で同じく
武豊騎乗だった
キタサンブラックを首差で捉えた。
スポニチ