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有馬記念・G1」(22日、中山)
今回が現役ラストレースとなる
ドウデュース。有終の美を飾ることができるか注目される。当欄では、ラストランで暮れの
グランプリを制し、競走馬生活を終えた名馬を振り返る。
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14年に有終Vを飾ったのが、希代の名牝
ジェンティルドンナだ。
同年3月のドバイシーマCを制したものの、その後はまさかの3連敗。当初、陣営は
ジャパンC(4着)での引退を示唆していたが、管理する石坂正師(21年2月引退)は「燃焼し尽くしたわけじゃない」と
グランプリ参戦を表明。指揮官の執念に“貴婦人”は最後の力を振り絞った。
この年の枠順抽選は、史上初めて抽選順に出走馬の関係者が希望の枠を選べるシステムが採用された。いの一番に選択権を得た石坂師は、迷うことなく2枠4番を指名する。終わってみれば、2番くじで3枠6番を選択した
トゥザワールドとのワンツーフィニッシュ。ドラフトでの逆指名で自ら勝利をたぐり寄せた。
ゴールドシップや
エピファネイア、
ジャスタウェイといったG1馬10頭が顔をそろえた豪華
グランプリ。直近の3連敗、そして中山芝が未経験であることが不安視されて4番人気に甘んじたが、戸崎圭の好リードに導かれ、ラストランで輝きを取り戻した。限界説に反発するかのように、絶好枠を利して好位3番手からスパート。ラ
イバルの猛追を振り切り、見事に有終の美を飾った。
レース後には引退式が行われ、ファンに別れを告げて生まれ故郷へ。繁殖入り後は3番子
ジェラルディーナが22年
エリザベス女王杯で勝利し、母子によるG1制覇を成し遂げた。貴婦人の名にふさわしい気高い走りは、今もなお競馬史に語り継がれている。
提供:デイリースポーツ