「
シンザン記念・G3」(13日、中京)
数々の名馬を輩出してきた3歳馬の登竜門を制したのは、デビュー戦Vから挑んだ3番人気の
リラエンブレム。ラ
イバルたちをあっさりとかわし、馬場の真ん中を力強く突き抜けた。2着には1番人気の
アルテヴェローチェ、3着には14番人気の伏兵
ウォーターガーベラが入った。
また1頭、底知れないポテンシャルを秘めたスターが誕生した。1戦1勝の身での重賞挑戦となった3番人気の
リラエンブレム。発馬を五分に決めると、道中は無理に出していかずじっくりコンタクトを取りながら運んだ。直線に向いてから一気に加速。前を進む馬をとらえるまでは、ほんの一瞬のことだった。
高らかに両手を掲げ、検量室前へと引き揚げてきた浜中は、「本当に強かったの一言ですね」と安堵の笑みをこぼす。「馬のリズムを大事にしながら。2戦目で馬の気も入っていたけど、うまく我慢しながら直線を向けた」と相棒の力を100%引き出すための冷静な騎乗。「前に人気馬がいたけど抜くまでが速かったし、強かった。デビュー前からとにかく脚が速いというのが印象に残っている」と強力な武器を勝因に挙げ、「距離の融通は利くと思うし、まだまだ奥がある」と、未知数の可能性に期待を寄せた。
見届けた武幸師は2年前の
ライトクオンタムに続くこのレース2勝目。戦前から「成長はまだ先だと思う」と口にしていただけに、「状態自体は良かったけどまだまだトモが甘かった。本来は馬場は軽めの方が良かったと思うし、今の段階で重賞を勝つんだから能力だよね」と、改めて愛馬に感嘆の言葉を漏らした。
これでデビュー2連勝。賞金を加算して選択肢が広がったが、指揮官は「時間がかかると思うので詰め込まないで大事にいきたい。今後は成長過程を見て」と慎重な姿勢だ。未完成のまま一級品の素質を証明した若駒。これからどんな
ヴィクトリーロードを歩むのか、目が離せない。
提供:デイリースポーツ