「
京成杯・G3」(19日、中山)
一昨年は
皐月賞馬
ソールオリエンス、昨年はダービー馬
ダノンデサイル&
菊花賞馬
アーバンシックを輩出。そんな出世レースを制したのは11番人気の伏兵
ニシノエージェントだ。直線で伸びあぐねる人気馬を横目に、豪快な末脚でゴールへ飛び込み大波乱を演出した。
前半5F通過が58秒3。ハイペースを冷静に見極め、道中は後方で息を潜めた。4角で前を射程圏に入れると、津村の仕掛けのタイミングは
ドンピシャ。「スタートから4角で抜けてくるまで、何もかも全てうまくいった。3~4角でゴチャついたけど、1頭分の所をうまくさばけた」。先に抜け出した
ドラゴンブーストをとらえると、返す刀で大外を伸びてきた
ミニトランザットの猛追を鮮やかに封じ込めた。
開業2年目の千葉師はうれしい重賞初制覇。騎手時代からお世話になっている、西山茂行オーナーの所有馬でのVに「厩舎の初勝利(
セイウンプラチナ)も、初重賞も勝たせていただいた。結果を出せて良かった」と胸をなで下ろす。そして、殊勲の津村は美浦・鈴木伸厩舎に所属していた時の先輩。「縁のある方々と一緒に表彰式に立てて幸せです」と感無量といった様子だ。
昨年暮れの
ホープフルSは登録だけにとどめ、ここに照準を定めてハードに乗り込んできた。「よく耐えてくれた」と指揮官がたたえれば、津村も「以前より乗りやすくなっている」と確かな成長を感じ取る。師は次戦について明言を避けたが「きょうのような競馬ができれば、距離はもう少し延ばしてもいいかな」と、見据えるのはもちろん春の大舞台だ。今後は注目される立場。
タイトルホルダーとして真価が問われる。
提供:デイリースポーツ