「第66回AJC杯」の出走馬で唯一の木曜追いとなった
レーベンスティールは、Wコース3頭併せで成長を感じさせる走り。重賞3勝の素質馬が、8着に敗れた
天皇賞・秋からの巻き返しへ上々の仕上がりだ。
“荒くれ者”がようやく大人になった。強過ぎる前進気勢が課題だった
レーベンスティール。だがこの日は、いつにも増して落ち着き十分。我慢が利いて滑らかな動きを披露した。「進歩している。いいところまで来ました」。田中博師は愛馬の成熟に安どの表情を浮かべた。
最終リハはWコース3頭併せ。
ウェットシーズン(4歳2勝クラス)、
プリティディーヴァ(3歳オープン)を追いかける形でスタートした。序盤はゆったりしたラップ。それでも折り合いはしっかりついている。3角過ぎから重心の低い走りでスムーズに加速すると、直線は最内を選択。横を走る僚馬のプレッシャーに耐えながら、楽な手応えで鋭伸した。5F64秒8の好タイム、ラスト1Fはこの日最速の11秒2。数字、内容ともに文句のない追い切りだった。
前走の反省が生きている。
天皇賞・秋は
オールカマーからのタイトなローテ。トレーナーは思ったような調整がかなわず、
レーベンスティールを仕上げ切れなかった。「時計は出ていたけど、反応が悪かったり反応が良過ぎたり…。ジョッキーも強気に乗れなかったのはそういう面もあったんじゃないか」。間隔を空けた今回は、じっくり課題と向き合い改善に全力投球。「先々週末から変化が出た。ためが利くフォームに修正できた」と師も満足の仕上がりになった。
舞台は2戦2勝と得意の中山2200メートル。「
オールカマーは“万事休す”という場面から来た。“あそこから来られるんだなと”と思いましたね。間違いなく力はある。今年のメンバーはいいけど、恥ずかしくない競馬を見せてほしい」。悲願G1獲りを目指す一年の大事な初戦。
レーベンスティールが生まれ変わった姿を見せる。
《非根幹距離は崩れない》
レーベンスティールは非根幹距離(400メートルで割り切れない距離)なら崩れない。8戦して5勝、2着2回、3着1回と複勝圏内100%。しかも重賞全3勝(23年
セントライト記念、24年
エプソムC、同年
オールカマー)を挙げている。2200メートルの今回も馬券の軸は堅い。
スポニチ