今年で75回目を迎える伝統のマイル戦・
東京新聞杯(4歳上・GIII・芝1600m)は、近10年で3連単の6桁配当が5回も出ている「荒れる重賞」だ。そして過去最高の驚愕配当にスタンドが揺れたのは08年だった。6番人気→13番人気→12番人気で決着し、3連単が250万円超えの大波乱となった一戦を振り返る。
この年の
東京新聞杯は混戦模様だった。1番人気は重賞を3勝している
カンパニー。前年秋には
天皇賞(秋)で3着、
マイルCSで5着とGIでも健闘していたが、単勝は4.1倍だから確たる中心というわけではなかった。これに前走の
京都金杯を制した
エイシンデピュティが4.7倍、2走前に
ディセンバーSを勝っている
サイレントプライドが5.6倍で続く。さらに
ジョリーダンス、
ハイアーゲームまでの5頭が単勝オッズ10倍以下。しかし、結果的にこれらの馬は全て馬券圏外に沈むこととなる。
レースは
ローレルゲレイロの逃げで幕を開けた。前半3Fは35秒0だから速くはない。3角で
アポロノサトリが先頭に並びかけた以外、道中で大きな動きはなく、淡々と流れた。迎えた直線、ラチ沿いで
ローレルゲレイロが粘る。これに内から
タマモサポート、大外から
リキッドノーツと伏兵勢が迫った。一方の人気馬はどうか。好位~中団で運んだ
エイシンデピュティ、
サイレントプライドは伸びを欠いている。
カンパニーも脚を使ってはいるが、上位には届かない。最後は
ローレルゲレイロが粘り腰を見せて、2年前の夏の新馬以来、1年8カ月ぶりの2勝目を手にした。
1着の
ローレルゲレイロが6番人気、2着の
リキッドノーツが13番人気、3着の
タマモサポートが12番人気。確かに混戦ムードではあったが、人気馬が総崩れという結末を予想したファンは少なかったはず。3連単はレース史上最高配当となる254万3450円となったのだった。