「AJCC・G2」(26日、中山)
これがダービー馬の実力だ。
有馬記念3着からの出走を敢行した
ダノンデサイルが初コンビの戸崎圭に導かれ、1番人気に応える快勝劇。昨年のダービー以来の勝利を飾った。2着には6番人気の
マテンロウレオ、3着には3番人気の
コスモキュランダが入り、
ダノンデサイルと人気を分け合った2番人気の
レーベンスティールは12着だった。
横綱相撲だった。道中は中団でじっくり構え、徐々に進出すると、直線でスパート。
有馬記念では3着に逃げ粘った
ダノンデサイルだが、この日は鮮やかな差し切りV。ダービー馬がAJCCに参戦して勝つのは99年の
スペシャルウィーク以来26年ぶり4頭目だった。
テン乗りだった戸崎圭は「馬を内に置いてどういう
バランスになるか見たい」という厩舎のオーダー通りの騎乗。「(1週前の)追い切りで初めてまたがりましたが、
バランスのレベルが高い馬と分かりました。返し馬ではさらに良さを感じましたね。内に囲まれないようにと考えて、ポジション的にもリズム的にもすごく良かったです」。距離ロスをいとわぬコース取りで、G2では力の違うところを示した。
安田師は今後を占うための試金石として臨んだ。「注目を浴びている存在なのは分かっていましたし、結果が求められる立場。勝つのは大前提で、中4週でどういう雰囲気で臨めるのか、中間に調教の量も内容も変えたので、その確認のレースでした」。1週前以外は坂路中心で運動負荷のベースを上げ、レースではしっかりためる組み立て。全てに応えたのは能力の高さ故だろう。
「体には成長を感じますが、精神的にはまだ全然幼い。間隔を詰めたことの変化、この気負い方が疲労につながるのか否か。見極めつつ、いくつかあるプランを提案して、オーナーと相談したいと思います」と師。2000メートル以上の王道路線で主役の一角になるのは間違いなさそうだ。
提供:デイリースポーツ