「プロキオンS・G2」(26日、中京)
逃げる逃げる。自分のラップを刻んだ快速馬に止まる気配は1ミリも無かった。抜群のスタートを決めた5番人気の
サンデーファンデーは絶好の最内枠からハナを奪取。焦ることなくじっくり鞍上とコンタクトを取りながら脚を進める。直線を向くと後続の進出を待ち構えていたかのような抜群の手応えで一気に加速。迫り来る僚馬で1番人気の
サンライズジパングを頭差でしのぎ切った。
「よっしゃー!」と心からの喜びを言葉に乗せ、検量室前に引き揚げてきた鮫島駿。「本当に良かったです。音無先生が(3月頭に)定年で引退されますし去年からたくさん管理馬を任せていただいていました。今回も大きなチャンスをいただいたので生かせて良かった」と感無量の表情だ。「何が来ても主張する構えでした。2着馬は自分も乗せてもらっていて強いのは分かっていましたが何とか振り切ってくれました」と相棒の奮闘をたたえた。
3月頭の定年引退を前に重賞でワンツーフィニッシュを決め、さすがの存在感を示した音無師は「前走と同じ形。あまり遅くてもだめだし、ちょうどいいくらいのタイムで行ったね」と納得の表情でうなずく。「欲張らずに最後までいきたいね」と自然体を貫く構えだ。2連勝で重賞初制覇を成し遂げ、本格化を迎えた5歳馬。ダート界の頂点は既に視界に入っている。
提供:デイリースポーツ