実績馬と新興勢力がぶつかり合うダート重賞「第39回根岸S」の追い切りが29日、東西トレセンで行われ、栗東では現役屈指の巨漢馬
ドンフランキーがコンビを組む池添を背にCWコースで完全復活を告げる動き。パワフルな脚さばきで駆け抜け、米国遠征帰りでも万全の仕上がりをアピールした。
笑顔が戻った。
ドンフランキーの最終追いはCWコース併せ馬。2週連続で手綱を取る池添の赤い
ジャケットが目を引く。手綱さばきに熱い気持ちを込めた。
攻め駆けする
セッション(5歳オープン)を3馬身追走。折り合いを付けながら、前を追う。直線は内から馬体を併せ、スムーズな伸び。直線半ばであっさり突き放すかに見えたが、最後に差し返されて併入ゴール。が、これには理由があった。池添は「後ろのバンテージが外れ、走りづらそうだった」と説明。馬が気にして加減したように見えたが、6F82秒0~1F11秒6をマーク。弾むような脚さばきでパワフルだった。
動きの良化は鞍上の表情を見れば歴然。感触を確かめて浮かべたのは安堵(あんど)の笑み。事実、併せ馬で遅れた1週前の時点では表情も険しく、首をかしげるばかりだったのだ。
「先週の感じは話したとおりです。今までより緩さが大きく“まだかな”と。それが日曜にもしっかりやった(CW6F87秒7~1F13秒5)ことで、今日は我慢もできて直線の反応も良かった。直線はゴールまでしっかりやれたし、今日の分でしっかり上がって来ると思います」
600キロ近い超大型馬ゆえ、仕上げには段階を必要とする。まして今回は米国遠征(BCス
プリント9着)からの帰国初戦。陣営がやきもきしたのも当然。が、1週前がホップなら日曜追いが
ステップ。さらに最終追いでジャンプできれば十分勝ち負けに届く。鞍上も手応えをつかんでいる。
「去年2着したドバイ(G1
ゴールデンシャヒーン)が大目標になります。自分の力さえ出せれば、いい初戦になってくれると思います」
良化途上で迎えた昨年のフェブラリーS(9着)はしぶとく粘り、見せ場十分の内容だった。今回は同じ復帰戦でも【5・1・0・1】の得意な7F戦。比類なき天性のスピードを生かし、天を突く巨体が猛進。約1年ぶりの
JRA出走で圧倒的な存在感を発揮する。
《
JRA重賞最高馬体重V更新も》
ドンフランキーは23年プロキオンSを594キロで制し、
JRA重賞の最高馬体重V記録を更新した。
JRAの最高馬体重勝利は14年5月17日の京都12Rを制した
ショーグンの626キロ。
ドンフランキーは昨年8月に盛岡の交流重賞
クラスターCを607キロで制した。
JRA出走は昨年のフェブラリーS9着以来、約1年ぶりとなり、自身が持つ記録を塗り替えることができるか注目だ。
スポニチ