昨年3月にデビューした女性ジョッキーの大江原比呂騎手(20)=美浦・武市=が現役を引退することが1日、明らかになった。JRAが本人から騎手免許の取消申請があり、同日付で取り消したと発表した。師匠の
武市康男調教師(53)=美浦=は東京競馬場で取材に応じ、今後について「競走馬よりも違う世界を見てみたいと。第二の人生を頑張ってもらいたい」とエールを送った。
大江原は8月31日の新潟8Rでは50キロで騎乗予定だった
ペイシャソプラノが負担重量超過で50・5キロに変更となり、過怠金10万円の処分に。10月5日には体重調整ができず、東京競馬場の調整ルームで汗取り中に疾病(脱水症状)を発症して乗り代わりとなり、9日間の騎乗停止処分が科せられた。同14日にも負担重量の注意義務を怠ったとして過怠金10万円の制裁を受けていた。12月1日には調教中に右手小指を負傷し、今年に入ってからも休養中だった。
武市師は「勝負の世界でやっていく中では厳しかったかな。競馬学校を卒業してから10カ月ぐらい騎手としてやってきて、本人も悩んで…心が折れたのかな。いろいろと相談はされていましたし、こちらとしては少しずつ奮い立たせてあげて。一時、騎乗停止になって、その後に盛岡のヤングジョッキーズシリーズに乗った時には“面白かったです”と言っていたのですが…。体重調整のことなどもありましたが、本人の気持ちが前向きならばそれも乗り切れたはず。また、それができた子だったと思います」と話した。
引退を決断するまでの経緯については「指をケガしてからの2カ月間、じっくり考えてみなさいと。騎手免許の更新試験までに決めるように言いましたが、よく考えた上で決断したようです。残念ですが、(騎手という仕事は)合う、合わないはありますからね。中途半端では人に迷惑が掛かるし、ケガにもつながりますから。第二の人生。助手になるならウチの所属でと言いましたが、本人は競走馬よりも違う世界を見てみたいと。引退して、競馬の世界は諦めると。まだ若いですし、決して恥ずかしいことじゃない。第二の人生を頑張ってもらいたいです」と話した。
提供:デイリースポーツ