2010年代のフェブラリーSを席巻したのが
ゴールドアリュール産駒だ。ここでは自身が制した03年の一戦を振り返りつつ、父仔制覇を果たした3頭の産駒を紹介する。
ゴールドアリュールは名種牡馬
サンデーサイレンスの砂の最高傑作である。2歳秋のデビューから芝路線を歩んだものの、3歳春にダートに転じて500万下、
端午Sと楽勝で2連勝。その後、
日本ダービーに参戦して
タニノギムレットから0秒3差の5着に健闘したが、結果的にこれが最後の芝のレースとなった。続く
ジャパンダートダービー、ダービー
グランプリと連勝。
ジャパンCダートこそ5着に敗れたが、続く
東京大賞典を楽勝。不動のダート王として迎えた4歳初戦がフェブラリーSだった。
単勝3.1倍の1番人気に推された一戦、
ゴールドアリュールは横綱相撲を見せる。五分のスタートからスッと好位へ。そのまま手応え良く運んで、馬なりで直線へ。残り200m手前で先頭に立つと、外から迫る
ビワシンセイキを抑えてゴール。着差こそクビだったが、どこまで行っても交わされることはないだろうと思わせる完勝だった。
ゴールドアリュールは種牡馬としてもダート界を席巻した。産駒は数々のビッグレースを制しているが、とりわけフェブラリーSには強く、10年の
エスポワールシチー、14年と15年の
コパノリッキー、17年の
ゴールドドリームと3頭で4勝。さらに2着が4回、3着が1回だから凄いというしかない。まさに2010年代のフェブラリーS、そしてダート界を席巻した名種牡馬となったのだった。