「
シルクロードS・G3」(2日、京都)
人馬ともに達成した悲願だった。9番人気の伏兵
エイシンフェンサーが鮮やかな末脚を発揮し、重賞初制覇を果たした。鞍上の
川又賢治騎手(27)=栗東・フリー=にとっても、デビューから9年目にしての重賞初勝利だった。2着には10番人気の
グランテスト、3着には4番人気の
ウインカーネリアンが入り、1番人気の
ピューロマジックは9着。人気の一角だった
ソンシはレース直前に競走除外となった。
ス
プリント界の勢力図を塗り替える存在になるかもしれない。スタート直前に人気馬の
ソンシが競走除外、さらに
セントメモリーズがゲートを突き破って外枠発走になるなどアク
シデントが続いたなか、9番人気の
エイシンフェンサーが低評価を覆す激走で重賞初制覇を成し遂げた。
スタートを決めると道中は中団を追走。勝負どころで追いだされると、直線は外から力強く抜け出してVゴールを駆け抜けた。川又は「スタートも上手、競馬も上手なので、いつも取れた所がベストポジションなので、プランは立てていませんでした。抜け出してからは後ろから誰も来ないかを心配しながらでしたが、強かったので良かったです」と汗を拭った。
鞍上の川又にとってもデビュー9年目でつかみ取った重賞初タイトル。「オーナーや調教師、厩舎スタッフの皆さまに感謝の気持ちでいっぱいです。フェンサーとは1勝クラスからやってきて、まだまだ成長できると思いますし、ありがとうと言いたいです」。東京競馬場で見届けた吉村師も「鮮やかでしたね。ずっと調教をつけてね、うちの厩舎を手伝って7年ぐらいになるかな。僕もうるうるしました」と感激した様子だった。
さらなる高みへ勢いは増すばかりだ。川又が「フェンサーには、すごく期待していて重賞を獲れるんじゃないかと思ってやってきました。ここから先は達成していない域なので、馬としっかり歩んでいきたいなと思います」と話せば、師も「確認して無事であれば
高松宮記念(3月30日・中京)を考えます」ときっぱり。春のス
プリント王決定戦へ、万全の態勢を整えていく。
提供:デイリースポーツ