JRA通算2000勝も間近に迫る
C.ルメール騎手。そんな彼の
JRA騎手免許試験合格が発表され、2月5日で節目の10年となる。異国の地でのチャレンジを選び、
JRA通算1980勝を誇る名手はこれまで日本競馬の名場面を数多く彩ってきた。
クリストフ・ルメール騎手は1979年5月20日、フランス・
シャンティイの生まれ。障害ジョッキーだった父の影響もあり、幼少期から馬に親しみ、騎手になることを夢見た。99年に同国で騎手免許を取得しデビュー。今年の2月1日、2日には23年ぶりにインドで騎乗したが、若くして世界各国で経験を積み、毎年リーディング上位に名を連ねるようになる。
初来日は02年。当初はローカル場を中心に騎乗を続けていたが、徐々に重賞やGIでの騎乗も増えていった。広く「ルメール」の名が知れ渡ったのは、05年の
有馬記念だろう。それまで追い込み一辺倒だった
ハーツクライで先行する奇策を見せ、無敗馬
ディープインパクトを破る大金星。また、この勝利が
ルメール騎手にとって
JRA重賞初制覇でもあった。
中央競馬だけでなく、
地方競馬の短期免許も取得するなど、日本での騎乗機会を模索。次々に重賞タイトルを手中に収めて、ファンや関係者からの信用、信頼を高めていった。
15年には念願叶い、
M.デムーロ騎手とともに
JRAの騎手免許試験に合格。外国人として初の通年ライセンス取得となった。しかし2月末、調整ルーム内でTwitterを使用したとして騎乗停止を受け、通年免許取得後のデビュー戦が遅れるひと幕もあった。それでも終わってみれば112勝を挙げてリーディング4位。翌年は186勝で2位まで順位を上げ、17年~21年、23年~24年には最多勝利をマークするなど、押しも押されもせぬトップジョッキーになった。その間の18年には215勝。これは
武豊騎手が05年に記録した212勝を抜き、歴代1位である。
サトノダイヤモンドや
レイデオロ、
アーモンドアイや
イクイノックスなど、近年の日本競馬を彩った名馬の背中には、いつも
C.ルメール騎手の姿があった。気づけば今年で46歳とベテランの域に入ってきたが、まだまだ勢いとどまるところを知らない。日本での通年騎乗は11年目となるが、今後も進化を遂げていくことだろう。