「
きさらぎ賞・G3」(9日、京都)
混戦ムード漂う伝統の3歳重賞。キャリア2戦目ながらG1の大舞台で3着に食い込み、一級品の能力の片りんをのぞかせた
ランスオブカオスは、デビュー2年目を迎えた
吉村誠之助騎手(19)=栗東・清水久=とのタッグで重賞獲りへ挑む。デビュー1年目となった昨年は重賞の舞台も経験し、今年も既に6勝。着々とキャリアを積み重ねる若武者が、素質馬をタイトル奪取へと導く。
昨年暮れに行われた朝日杯FS。9番人気の伏兵
ランスオブカオスを落ち着いた手綱さばきで3着へと導いたのは、当時デビュー1年目のルーキー吉村だった。
道中は中団後方をじっくり運ぶと、直線では冷静に進路を外へ
チェンジ。前を進んでいた1、2着馬には届かなかったが負けじと鋭い脚を引き出した。「落ち着いていて馬の雰囲気が良かったです。折り合いもついてひとためできたし、最後はしっかり脚を使ってくれました」とレースを振り返る。自身にとって初めての大舞台でも、きっちり役目を務めてみせた。
デビュー戦から手綱を取り、今回でコンビ3戦目。中間は最終リハにまたがり感触を確かめた。「追い切りで動ける範囲が広がり、その部分が行きっぷりにつながっています。千四から千六への距離延長は対応できましたが、さらに1F延びるので対応できるかどうかが鍵になってくると思う」と冷静に分析する鞍上。「今週乗せてもらっていい状態だと思いましたし、能力はある馬」と条件の克服を願った。
昨年は重賞の舞台も経験。ここまでJRA通算39勝と好スタートを切っているが、「一頭一頭の適性に合わせて対応できるように。たくさん乗せてもらっていますし、成長しないといけない部分です」と自分自身に喝を入れる。「重賞だからといって臨む姿勢は変わりません。自分の持っている技術で
ランスオブカオスの持っている最大限の力を引き出したい」。成長を続ける人馬の挑戦から目が離せない。
提供:デイリースポーツ