「
きさらぎ賞・G3」(9日、京都)
寒風吹きすさぶ真冬の淀で、暖かな春を予感させる走りを見せた。伝統の出世レースを制したのは、単勝1番人気に支持された
サトノシャイニング。ただ一頭、モノが違うと言わんばかりの破壊力を見せつけ、3馬身差の快勝劇で初めてのタイトルを手中に収めた。
大外枠発進だったが、向正面で
ショウヘイのすぐ後方にポジショニング。道中は意識的に前に壁をつくる形で進めた。課題だった折り合い、口向きをクリアすると、直線は大外に持ち出してスパートを開始。瞬時にエンジンが点火し、内にモタれながらも次位に0秒5差をつける圧倒的な末脚で、並ぶ間もなく他馬を一瞬にしてかわし去った。
西村淳は「次を見据えて、前に馬がいる状況でどれくらいの脚を使えるかの確認。強かったです」と破顔一笑。「厩舎で間近で見ていて“いい馬だな”と、指をくわえて待っていました。結果を出せましたし、春はもう一つ上のクラスで楽しみな結果を待ちたいです」と、この先に続く晴れ舞台を意識した。
管理する杉山晴師にとっても
ジョバンニ、
ナグルファルと並ぶ牡馬クラシック候補。指揮官は「思った以上に進歩がありました。ひとえに厩舎や牧場スタッフが馬と向き合ってきたおかげ。ジョッキーも1週前から乗って結果が出て、厩舎として満足しています」とうなずき、「オーナーと相談ですが、恐らく
皐月賞(4月20日・中山)直行になるのでは」と見通しを語った。新たな勲章を携えた
キズナ産駒は、次のステージでもさん然と輝きを放つ。
提供:デイリースポーツ