「
デイリー杯クイーンC・G3」(15日、東京)
昨年のカペラSを
ガビーズシスターで制し、重賞初挑戦初Vを飾った開業2年目の
森一誠調教師(47)=美浦。そんな指揮官が牝馬クラシックの登竜門に送り込むのは4戦2勝の
エンブロイダリーだ。新潟の未勝利戦をレコードで圧勝するなど、「世代の牝馬で上位の力がある」とほれ込む逸材が、初の重賞舞台で真価を発揮する。
昨年の開業から今回が2度目の重賞挑戦となる森一師。ちなみに前回は
ガビーズシスターで参戦したカペラSで、初挑戦にして初制覇を成し遂げた。重賞で2戦2勝となれば、まさしく快挙だ。
ただ、当の本人に記録の意識はない。「いい馬を預からせてもらっているので、それに対して結果を出すだけだと思っています。それだけです。馬がしっかり力を出せるように自分の仕事をするだけ」と自分の立ち位置を踏まえた上で、やるべきことにしっかりと取り組む姿勢を見せている。
そんな指揮官が送り込む
エンブロイダリーはデビューから4戦2勝。前走は東京芝千四の1勝クラスを完勝した。「前回は万全の状態ではないなかでのレースだったけど勝ち切ってくれました」。2走前の疲れが尾を引き、難しい調整を強いられての勝利で、能力の高さを示したレースだった。その前走と比較して「心身ともに成長を感じます」とムードは一転。状態は明らかに上向きだ。
エンブロイダリーにとっては今回が重賞初挑戦となるが、「この世代の牝馬の中で上位の力があると思っている。いいメンバーがそろったここでどのような競馬をするのか、非常に楽しみです」と力を込める。新進気鋭のトレーナーがほれ込む逸材が、大きな期待を背負って重賞のステージに立つ。(小林正明)
提供:デイリースポーツ