的場文男騎手(68)が引退を発表した。73年デビューから51年5カ月。「大井の帝王」が騎手人生にピリオドを打った。
的場騎手の“第2の顔”というべき勝負服「赤・胴白星散らし」が“永久保存”となることは、ほぼ間違いない見通しだ。
すでに18年に7152勝の
地方競馬最多勝利記録を打ち立てた時点で、関係者は「あの勝負服はもう的場騎手以外に着ることはできない。それだけ的場騎手のイメージとして定着している」と話していた。
大井競馬は1950年の開幕当初は馬主ごとに勝負服を決めていたが、53年1月から騎手ごとの勝負服となった。
変更理由は当時の資料によれば「ファンに騎手への親しみを持ってもらう」「レース中、騎手の識別を容易にする」とのこと。
当初は図柄20種、6色からデザインと色を決めていたが、現在は図柄12種(輪、のこぎり歯形、山形、ひし山形、たすき、縦じま、格子じま、元禄、ダイヤモンド、井桁がすり、玉あられ、星散らし)、10色(赤、桃、黄、緑、青、紫、茶、ねずみ、黒、白)の中から3色を使ってデザインする。
的場騎手によれば、デザインは騎手になる前、
地方競馬騎手養成所(栃木県那須塩原)での修業中に考案した。
養成所から大井に戻ると、師匠の小暮嘉久師もデザインを考えていた。それが全く同じで驚いたという。「偶然の一致なんだけどね。今では本当に自分に似合っている服なんだなあと思っている」と以前、的場騎手がしみじみと話したことがある。
昨年11月末に実質的に引退した
森泰斗元騎手が昨年12月23日、やはり勝負服を“永久保存”されている。的場騎手の勝負服が同様の形になれば、01年引退の佐々木竹見氏、19年引退の
石崎隆之氏、森氏に次ぐ4人目となる。
スポニチ