◆第60回クイーンC・G3(2月15日、東京競馬場・芝1600メートル、良)
第60回クイーンC・G3が15日に東京競馬場で行われ、単勝3番人気の
エンブロイダリーが2番手追走から直線で鋭く抜け出し、1分32秒2のレースレコードで重賞初制覇。
桜花賞・G1(4月13日、阪神)の有力候補に名乗りを上げた。
クリストフ・ルメール騎手(45)=栗東・フリー=は15年連続の
JRA重賞勝利。現3歳が初年度の
アドマイヤマーズ産駒は初タイトルとなった。
圧倒的なポテンシャルを見せつけた。残り300メートル。2番手から満を持して追い出された
エンブロイダリーは、じわじわと加速を開始。トップスピードに乗ると後続との差をみるみる広げ、2馬身半差をつけてゴール板を駆け抜けた。走破タイム1分32秒2は、16年
メジャーエンブレムを0秒3上回るレースレコード。ルメールは「休み明けでパンプアップしていたし、スタートも上手になった」とパートナーの成長に目を細めた。
発馬を完璧に決めたことが完勝劇につながった。やや速めの流れを先行して楽々と押し切る横綱相撲。非凡な心肺機能も証明した。15年連続の
JRA重賞勝利を決めた鞍上は「今年もよろしくお願いします」と笑いを誘い、「上のレベルに行けると思う」と大舞台での活躍も約束した。
開業2年目の森一調教師は昨年のカペラSを
ガビーズシスターで勝利。重賞はそれ以来となる出走で2戦2勝となった。愛馬の完成度についてトレーナーは「2歳の頃から完成されていたけど、高いレベルで安定して、いい
ステップアップができている」と胸を張った。今後は状態次第だが、クラシックがはっきりと視界に入ってきたことは間違いない。
厩舎にとっては、来週22日に
ガビーズシスターと挑むサウジアラビア遠征(リヤドダートス
プリント)へ弾みがついた。父の
アドマイヤマーズに初のタイトルをプレゼントした
エンブロイダリーの快進撃は、まだまだ続く。(石行 佑介)
◆
エンブロイダリー 父
アドマイヤマーズ、
母ロッテンマイヤー(
父クロフネ)。美浦・
森一誠厩舎所属の牝3歳。北海道安平町・ノーザン
ファームの生産。通算5戦3勝。総獲得賞金は5576万円。重賞は初勝利。馬主は(有)シルクレーシング。
スポーツ報知