クラシックの登竜門「第59回
共同通信杯」が16日、東京競馬場で行われ、1番人気
マスカレードボールが重賞初制覇。21年夏に9歳で早世した
ドゥラメンテの最終世代産駒から、クラシックを意識させる大物が登場した。
粗削りだが、まばゆい光を発する才能の原石。
マスカレードボールが若さを見せつつ、東西から集結したラ
イバルを蹴散らした。そこに見るのは父
ドゥラメンテの若駒時代の面影。数多くのG1馬の背を知る坂井が「レースでも返し馬でもいい馬だなと。持っているものは間違いなくG1級だと思う」と明るい未来を予言した。
独走を予感した直線。抜群の雰囲気で好位から抜け出しかけたところで、伸び脚が鈍った。「まだ幼いところがあるので、余裕があり過ぎてブレーキをかけてしまった」と坂井。それでも内から伸びた
カラマティアノスと馬体を併せて、再び加速する。他の先行勢が総崩れする中、力強く先頭でゴール。伸びしろ十分の勝利に、1馬身の着差以上の強さを感じさせた。坂井は「調教に乗った時からこの馬の能力を出せれば勝てると思っていた。もう少し真面目に走ればもっと楽に勝てる」と称賛した。
父
ドゥラメンテも“型破り”な競馬で10年前のクラシックシーンを席巻。
皐月賞は4角で逸走しながら力でねじ伏せてV。続くダービーも制して2冠を獲得した。手塚師が「東京に替わって良さが出たのかも」と言うように
マスカレードボールも“大箱”向きの感はあるが、父が2着に敗れた
共同通信杯を制したのは大きな自信となる。師は「(中山の)次もうまく走れるかは分からないけど、ポテンシャルはG1級かもしれない」とさらなる飛躍に期待した。
陣営がまず目標とする
皐月賞(4月20日、中山)には直行の予定。手塚厩舎&社台レースホースのタッグは23年
ソールオリエンスで1月
京成杯からの“直行V”を達成している。その先輩ソールとの併せ馬で心身を鍛えてきた
マスカレードボール。本番ではさらに
パワーアップした姿に期待が高まる。早世した
ドゥラメンテのラストクロップから、“父超え”の夢を託せる逸材が登場した。
◆
マスカレードボール 父
ドゥラメンテ 母マスクオフ(母の
父ディープインパクト)22年3月2日生まれ 牡3歳 美浦・手塚厩舎所属 馬主・社台レースホース 生産者・北海道千歳市の社台
ファーム 戦績4戦3勝(重賞初勝利) 総獲得賞金6571万8000円 馬名の由来は仮面舞踏会。
スポニチ