「サウジC・G1」(22日、キングアブドゥルアジーズ)
今年も中東の地で世界最高賞金レースが繰り広げられる。1着賞金は1000万ドル(日本円で約15億7000万円)。日本のエース格は、昨年同じ地で行われたG3サウジダービー覇者の4歳馬
フォーエバーヤング。矢作師は23年
パンサラッサに続く2度目のVを目指す。日本勢は他にも同世代の
東京ダービー覇者
ラムジェットに加え、高木厩舎の
ウィルソンテソーロ、
ウシュバテソーロの精鋭2騎もスタンバイ。強力4頭が
ビッグタイトル奪取を狙う。
あの興奮を再び-。2年前、
パンサラッサで世界の強豪を完封してみせた“世界のYAHAGI”が送り出すのは、4歳牡馬の
フォーエバーヤング。国内では5戦無敗を誇り、
ケンタッキーダービー、BCクラシックで3着に健闘。日の丸を背負って砂上の最前線で戦い続けた国内最強ダートホースが、世界最高賞金レース獲りを狙う。
前走の
東京大賞典では日本の古馬と初対戦だったが、ものともせず快勝。史上4頭目の3歳馬Vを果たしてみせた。主戦の坂井は「日本で負けられないと思っていましたし、とりあえずホッとしました」と、期待通りの走りに安どした。そして、「3歳で
東京大賞典を勝つことは普通に考えればハードルの高いことですが、この馬にとっては全然そうでないことです」と、世界王者を目指す人馬にとっては造作もないことだったという。
その後は在厩で順調に調教を消化。国内最終追い切りとなった12日は、栗東坂路でサウジダービーに出走する
ミストレス(3歳オープン)と併せ馬を行い、馬なりで軽やかに半馬身先着を決めた。矢作師が「在厩調整ができたのは大きいね。
ピークアウトしないようにと思うくらい、
ピークです」と話せば、またがった坂井は「何も問題なく終えられました」とうなずき、荒木助手も「状態を上げられている。気持ちも体もしっかり仕上げられました」と好
ジャッジ。“世界征服”に向け、コンディション面に一切の不安がない。
明け4歳。晩成だった父
リアルスティール同様に、年齢を重ねてみるみる
パワーアップしている。荒木助手は「背はもともとありましたが、骨格的にそれに見合う筋力がついてきました。ボリュームアップしていますね」と、確かな成長を感じ取っている。父が初めてG1タイトルを手にしたのが4歳時。今年はさらなる活躍を予感させる。
勝てば1着賞金1000万ドル(約15億7000万円)をゲット。円安の影響で、円換算では2年前の賞金を2億円以上上回るものだ。充実感漂う今、もはや勝っても驚きはない。中東の地でもう一度、日の丸をはためかせてみせる。
提供:デイリースポーツ