3月4日に定年を迎える宗像義忠調教師が手掛けた名馬の1頭が
バランスオブゲームだ。惜しくもGIには手が届かなかったが、
JRAでは歴代最多となるGII・6勝をマーク。そんな多くのファンに愛された個性派が連覇した05年と06年の
中山記念を振り返る。
宗像調教師は調教助手を経て、93年に開業した。2年目以降、コンスタントに20勝前後を挙げていたが、その名を一気に全国区に押し上げたのが
バランスオブゲームだった。01年の
新潟2歳Sで師に重賞初制覇をプレゼント。その後も大舞台で活躍し、GII・6勝を挙げたが、中でも得意としたのが
中山記念だ。
初参戦の03年は
ローエングリンの2着だったが、2年後の05年に初制覇を果たす。序盤は逃げた
ダイワバンディットの2番手を追走。残り200mで先頭に立つと、猛追する
カンパニーの追い上げを3/4馬身凌ぎ、03年の
毎日王冠以来となる1年4カ月ぶりの勝利を手にしたのだ。
しかし、その後は一度も馬券に絡めないまま、翌06年の
中山記念を迎えた。
ダイワメジャーや
エアメサイア、
ハットトリックといったGI馬が参戦したこともあって、前年覇者とは思えない6番人気の低評価。しかし、このレースでの
バランスオブゲームは一味も二味も違った。前半1000mが60秒9というスローペースの逃げを打つと、重馬場も味方に直線で加速。終わってみれば2着の
ダイワメジャーに5馬身差をつける圧勝で、84年の
グレード制導入後では初となる
中山記念の連覇を果たしたのだった。