11年の中山牝馬Sは東日本大震災の影響で阪神開催に。そして同日のメインだった
日経賞の後の最終レースに組まれることとなった。そんな異例の番組編成となった11年4月2日の阪神競馬を振り返る。
通常ではあまり行われない同日同場の平地2重賞。先にゲートが開いたのはメインの
日経賞だった。2400m戦らしく、レースは淡々と流れた。3角あたりから徐々にペースが上がって直線へ。内から1番人気の
トゥザグローリーが先頭に立つと、外から
ローズキングダムが迫ろうとするが、逆に突き放される。残り200mで早くも勝負あった。
トゥザグローリーが
ペルーサに2馬身半差をつけてゴール。3着には
ローズキングダムが粘り、1番人気→2番人気→3番人気の順当な決着。3連単はレース史上最低配当の930円だった。
しかし、その50分後の中山牝馬Sは大波乱となる。前半600mが34秒2、1000mが57秒9のハイペース。人気馬が伸びを欠く中、残り100mで抜け出したのは10番人気の
レディアルバローザだ。2着には大外から伸びた14番人気の
フミノイマージン、3着には内から脚を伸ばした13番人気の
コスモネモシンが突っ込み、上位3頭は全て2桁人気。3連単はレース史上最高配当の244万6260円となった。
平穏と大波乱の両極端な結果となった2重賞だが、ともに制したのは
福永祐一騎手だった。当時16年目だったトップジョッキー。年末には自身初となる全国リーディングを獲得することになるのであった。