JRAの重賞を363勝もしている
武豊騎手だが、とりわけ弥生賞には無類の強さを誇っている。これまでに22回騎乗して98年の
スペシャルウィーク、05年の
ディープインパクトなど、歴代最多の8勝。その中から今回は96~98年と05~07年の2度の3連覇を振り返る。
武豊騎手は90年代の弥生賞を席巻した。初参戦だった93年こそ
ナリタタイシンで2着に終わったが、2回目の騎乗となった96年に
ダンスインザダークで初制覇。これぞ
サンデーサイレンス産駒と思わせる切れ味を引き出し、初タイトルに導いた。続く97年は
ランニングフリー産駒の
ランニングゲイルを駆って、向正面での大捲りを敢行。4角先頭から後続を寄せ付けず、3馬身差の圧勝だった。そして98年に
スペシャルウィークで3連覇達成。
セイウンスカイ、
キングヘイローとの初の3強対決を制し、3カ月後の自身のダービー初制覇につなげることとなる。ちなみに翌99年は
アドマイヤベガで2着。惜しくも4連覇はならなかったが、90年代の弥生賞では【3-2-0-0】という素晴らしい成績を残した。
2回目の3連覇は05年の
ディープインパクトから始まった。2着の
アドマイヤジャパンとの着差は僅かにクビだったが、内容は単勝1.2倍の圧倒的支持にふさわしい完勝。一部のファンからは、早くも「三冠当確」の声が挙がることとなる。続く06年は1.6倍の
アドマイヤムーンで悠々の差し切り。そして07年は1.7倍の
アドマイヤオーラで
ココナッツパンチとの追い比べを制し、2回目の3連覇達成となった。強調したいのは3頭全てが単勝1倍台だったことで、「さすがは全盛期の
武豊騎手!」と唸らされる。
昨年に続き、今年も
武豊騎手は弥生賞には参戦しない。20年の
サトノフラッグを最後に勝利から遠ざかっているが、いつの日か9勝目、さらには大台の10勝目に到達することを期待したい。