今週から9名の調教師が新規開業となった。今回はそのうち元ジョッキーである
田中勝春調教師、
秋山真一郎調教師、
柄崎将寿調教師の騎手時代をそれぞれ振り返りたい。
田中勝春調教師は71年2月25日生まれの54歳。89年デビューで佐藤哲三元騎手や
角田晃一師らと同期の5期生。
JRA通算は20657戦1812勝。GI・2勝を含めて重賞を51勝している。GIはデビュー4年目の92年、
安田記念の
ヤマニンゼファーで初制覇。その後は07年
皐月賞の
ヴィクトリーで待望の2勝目を手にし、同年には
シンガポール航空国際Cの
シャドウゲイトで海外GI初制覇。そのほか
バランスオブゲームとのコンビでは重賞を6勝した。「カッチー」の愛称で関係者からもファンからも愛された。
秋山真一郎調教師は79年2月9日生まれの46歳。97年デビューで勝浦正樹元騎手や
武幸四郎師らと同期の13期生。
JRA通算は13543戦1059勝。GI・2勝を含めて重賞を38勝している。古くは
キョウエイマーチや
ベッラレイアとのコンビで活躍し、98年から12年まで15年連続で
JRA重賞制覇。12年
NHKマイルCを
カレンブラックヒルで制し、55回目の挑戦で
JRA・GI初制覇。18年には史上5人目の
JRA全10場重賞制覇も達成している。美しく乗ることにこだわり続け、その騎乗フォームは同業者からも絶賛されていた。
柄崎将寿調教師は82年12月27日生まれの42歳。01年デビューで
石神深一騎手や
小坂忠士騎手、川島信二元騎手らと同期の17期生。
JRA通算は1105戦33勝。重賞には9回挑戦して未勝利だったが、うち8回は
テンイムホウとのコンビ。同馬とは5勝を挙げたほか、08年の
ヴィクトリアマイルなど全42戦中35戦で手綱を執った。10年に引退後、調教助手としてキャリアを重ね、24年度の調教師試験に合格。祖父の義信氏、父の孝氏に続く、親子3代での調教師となった。騎手時代には届かなかった重賞、さらにはGIのタイトルをつかみ取ってほしい。