歴史の扉が開いた。JRA初の女性トレーナーとなった
前川恭子調教師(47)=栗東=が5日、厩舎を開業させた。激動の一日に充実の汗を拭いながら、今後の抱負、競馬界への思いを口にした。また、元G1ジョッキーの
田中勝春調教師(54)=美浦、
秋山真一郎調教師(46)=栗東=も新たな船出を飾った。
JRA通算1059勝にG1・2勝。27年間の騎手生活に別れを告げ、昨年3月に調教師免許を取得した秋山師も開業の日を迎えた。技術調教師として1年間、騎手で同期だった武幸師の下での研修期間を経て、記念すべき第一歩を踏み出し「たくさん勝ちたい。結果が大事ですから」と抱負を語った。
ファンを魅了したしなやかで美しい騎乗フォームは今も健在。この日も積極的にケイコをつけた。「乗ってると楽しくなっちゃって。従業員からは次の馬もあるから、早く帰ってきて下さいと言われた。意外と張り切るところもあるんです。僕だって」。厩舎を仕切るリーダーでありながら、おちゃめな一面ものぞかせる。
競馬に使うのは翌週から。15日の
コーラルSには、定年解散した木原厩舎から引き継いだ
テイエムリステットを送り出す。鞍上は
武豊の予定で「ユタカさんが乗ってくれるのはうれしい。ワールドクラスのジョッキーですから。足を上げさせてもらいます」とうれしそうに笑い、「これから楽しくなってくる。『あれがやりたい、これがやりたい』っていうのも増えると思います」。新しいステージに立っても、その情熱はますます燃えさかる。
提供:デイリースポーツ