「牝馬の時代」と言われて久しいが、
金鯱賞(4歳上・GII・芝2000m)は牡馬&セン馬が圧倒的に強いレースだ。過去60回で牝馬は7勝を挙げているものの、95年の
サマニベッピンが最後。96年以降に限ると延べ40頭が出走しながら、19年の
リスグラシュー、21年の
デアリングタクト、22年の
レイパパレの2着が最高着順。幾多の名牝が参戦しながら、惜しくも戴冠を果たせていない。
30年ぶりの牝馬Vなるか。今年は実績十分の3頭が参戦する。エース格は
ラヴェル(牝5、栗東・
矢作芳人厩舎)だ。2歳時に
アルテミスSで重賞初制覇。その後は不振だったが、昨秋の
エリザベス女王杯で2着に健闘すると、前走のチャレンジCで2つ目の重賞タイトルを獲得した。今回は相手が強化されるものの、目下の充実ぶりなら好勝負になるはずだ。
クイーンズウォーク(牝4、栗東・
中内田充正厩舎)は昨年のクイーンC、
ローズSの勝ち馬。ここ2戦は
秋華賞が15着、
小倉牝馬Sが6着と人気を裏切っているが、前者は出遅れ、後者はハイペースを早め進出と、敗因はハッキリしている。
ローズSと同じ中京芝2000mで巻き返しを狙う。もう1頭の
ライラック(牝6、美浦・
相沢郁厩舎)は22年の
フェアリーSの覇者。その後は勝ち星がないが、差し有利の展開になれば見せ場以上があっていい。
史上3回目のワンツー、さらには史上初の馬券圏内独占まであるか。牡馬撃破を目指す3頭の走りに要注目したい。