「ス
プリングS・G2」(16日、中山)
クラシックを見据える未完の大器がターフに帰ってくる。“世界のYAHAGI”が
皐月賞トライアルへ送り込むのは、キャリア1戦の
キングスコール。意欲の東上で、1冠目の権利獲りを狙う。
まだまだ体に緩さを残す中での初陣となった札幌での新馬戦は、パドックで立ち上がって放馬。心身ともに粗削りな面を見せながらだったが、天性のスピードを発揮して押し切り勝ちを決めた。勝ち時計の1分47秒8は、
ソダシが20年の
札幌2歳Sでマークした1分48秒2を0秒4も上回る2歳コースレコード。のちに萩Sを制し、阪神JFで3着に好走する
テリオスララに3馬身差をつける完勝劇だった。その後、
札幌2歳Sを目標にしていたが、左前球節の骨折が判明して回避。長期休養を余儀なくされた。
今回は8カ月ぶりの実戦復帰。メンタルのコントロールが難しいタイプなだけに、嫌気が差さないよう細心の注意を払いながら調教を重ねてきた。2月末から時計を出し始め、1週前には藤岡佑を背に栗東CWで6F82秒5-36秒9-11秒5を計時。矢作師は「骨折明けで休み明け感がある。正直、手探りだよね」と慎重な
ジャッジを下すが、「もちろん、素質に期待しています」と秘めたるモノに力を込めた。
「時間があったら条件戦を使いたい。でも、間に合わないでしょ」と指揮官。見据えるのはただクラシックの舞台のみ。一発回答で次のステージへ進めるか-。
提供:デイリースポーツ