6戦6勝の完璧な成績で第59代ダービー馬となった
ミホノブルボン。その輝かしいキャリアの4勝目となったのが、このス
プリングSだ。
このレース、何と
ミホノブルボンは1番人気ではなかった。前走でG1(朝日杯3歳S=当時)を勝っていたにもかかわらず、である。
前年のラジオたんぱ杯3歳S(当時)を勝ち、
共同通信杯4歳S(同)2着の
ノーザンコンダクトが、
武豊騎手を初めて鞍上に迎えるということもあって1番人気。キャリア初の重馬場も影響したか、
ミホノブルボンは2番人気に甘んじた。同馬の通算8戦で、1番人気でなかったのはこの一戦だけだ。
そんな若干の懐疑的なムードを吹き飛ばす走りを
ミホノブルボンは見せた。
1枠1番から互角のスタート。小島貞博騎手(引退)が押すと、コーナーワークも利して
ミホノブルボンは先頭に立った。
ネットに映像が残っているので見てもらえれば分かるのだが、芝は枯れたような色で現代の芝とは明らかにコンディションが異なる。特に内から4頭目付近までは完全に土と同じ色。どんな状態の芝を走っているのか?と思わされる。
そんな中を
ミホノブルボンは11秒9-12秒0-11秒9と速いラップを刻んでいった。
そして実況される馬名に改めて驚く。「
ミホノブルボン、リードは2馬身。
サクラバクシンオー2番手…あるいは内を突いて
ライスシャワー4番手並んで…」。
サクラバクシンオーにつつかれたら、それはペースは上がるよ、と思う。そして4番手のインで息を潜める
ライスシャワー。何という豪華な先団か。
3コーナーまでを全て12秒台前半で乗り切った
ミホノブルボン。4角を回って息が上がった
サクラバクシンオー。
ミホノブルボンが引き離す。
サクラバクシンオーも
ライスシャワーも、はるか後方でもがき、2番手に上がったのは大塚栄三郎騎手(引退)がテン乗りの
マーメイドタバン。その7馬身も前で、
ミホノブルボンは悠々と独り旅をフィニッシュしていた。
「自信はあったが、これほどまでに強いとは」と勝った小島貞騎手が一番、驚いた様子。戸山為夫師は「本当に強い馬は馬場状態なんて関係ない。これでラ
イバルを一歩も二歩もリードした。
皐月賞、正面から受けて立ちます」。名指揮官の強気の言葉が心地いい。
まさに他馬をねじ伏せた
ミホノブルボンは
皐月賞、ダービーも逃げ切り、春のクラシックを制圧するのだ。
スポニチ