2025年3月に美浦で開業した調教師3人のラストで初陣を迎える
浅利英明調教師は、15日の中山4Rで
ミスパナギア(牝3歳、父
ホークビル)を送り出す。同レースには技術調教師時代に調教師としてのノウハウを学んだ師匠・
加藤征弘厩舎の
ブルーユンチェリーも出走。初戦から師弟対決になる。浅利調教師は「狙ったわけではなく、たまたま一緒になりました。運命ですね(笑)」と取材陣の笑いを誘った。
厩舎の初出走を託す
ミスパナギアは、12日に
菅原明良騎手が騎乗して、美浦・Wコースで5ハロン67秒7―12秒0。前走は8着に敗れているが浅利調教師は「騎手も『調子が良さそう』と言っていたし、毛づやが良くなって馬体にも張りが出てきた」と状態アップに手応えをつかんでいる。
助手時代には15年の
ジャパンダートダービー、18年のフェブラリーSを制した
ノンコノユメを担当。調教師としてのデビュー戦を控え、「競馬場に行かないと実感は沸かないかも。(装鞍所で実感が沸いたという調教師もいるが)装鞍は助手時代にやっているので、返し馬に送り出した時に実感するかな」とレース当日を想像する。助手として担当馬を初めて送り出した時との心境の違いには「助手時代は、ただ楽しかったけど調教師はオーナーの期待やスタッフの生活もかかっている」と、調教師としての責任の重さを感じている。
馬に対して質の高い管理がされていることが想像できる隅々まで行き届いたきれいな厩舎内。「自分が『もう終わるよ』と言わないと、いつまでも働き続けるほど、スタッフが真面目でよく働いてくれる。自分も馬に乗ろうと思っていたけど、みんな本当に上手。自分は誰かが休みの時にしか乗る場面がないかも(笑)」とうれしい悲鳴をあげるほど、有能なスタッフが新指揮官を支えている。「早く1勝しないと、僕もスタッフも安心できないので」。目指すは厩舎の初勝利だ。(浅子 祐貴)
スポーツ報知