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プリングS追い切り(13日・美浦トレセン)
G2の2レースの出走馬が13日、確定した。
皐月賞トライアルの第74回ス
プリングS(16日、中山)は、
ピコチャンブラックが美浦・Wコースで木曜追い。
テンションの高さは見られず、4週続けてまたがった
石橋脩騎手(40)=美浦・フリー=ら陣営は課題克服に手応えを示した。
漆黒の馬体が躍動した。
ピコチャンブラックは石橋を背に濃霧に包まれた美浦・Wコースの直線に姿を現すと、パワフルかつ、しなやかに四肢をたたきつけた。水分を含んで重くなった馬場にも手綱は最後まで動くことなく、単走で5ハロン69秒9―11秒4。集中力があり、活気も十分だった内容に上原佑調教師は「良かったです。ここ最近では一番
リラックスしていて、やりたい調教ができました」と納得の表情を浮かべた。
冷静さを保てるかが最大の焦点だ。前走の
ホープフルSは、1週前追い切りでびっしり負荷をかけたことで
テンションが下がり切らず、本番直前にジョッキーがまたがると再び
ヒートアップ。道中は終始力んで、13着大敗に終わった。
その点を考慮し、新馬戦1着、2戦目のアイビーS2着と好結果を残す石橋が4週連続で追い切りに騎乗。入念にメンタル面のケアに務めてきた。トレーナーは「普段からコンタクトを図って『そんなに頑張り過ぎなくてもいい』というのを教えてきました」と意図を説明。鞍上は「すごい動きでしたね。あとはメンタルだけ。そこが一番難しいところかも知れませんけど、厩舎が一生懸命やってくれています」と取り組みが実を結んできたことを強調した。
父は10年前の勝ち馬
キタサンブラック。「メリハリが出て、つくところに筋肉がついて体の成長はいい方向に向いています」と上原佑師は馬体の成長も感じ取る。もまれ弱さが残るだけに今回の少頭数も追い風になる。デビュー戦を7馬身差で圧勝とポテンシャルの高さは証明済み。平常心で臨めれば、
皐月賞切符だけでなく、初の重賞タイトルにもグッと近づく。(石行 佑介)
スポーツ報知