幾多の名勝負が繰り広げられた伝統の長距離重賞「第73回
阪神大賞典」の最終追い切りが19日、東西トレセンで行われた。メンバー唯一のG1馬
ブローザホーンは栗東坂路で実戦を想定した併せ馬を行い、順調な仕上がりをアピール。昨秋は不本意な成績に終わったが、立て直した効果を今年初戦で見せつける。また、3歳牝馬重賞「第39回フラワーC」は
ゴーソーファーが美浦Wコースで切れのある動き。3戦2勝の素質馬が重賞初制覇に燃える。
闘志に火が付いた。メンバー唯一のG1馬
ブローザホーンはいつも通り坂路で最終追い。馬場が荒れた時間帯に加え、雪交じりの雨でタフなコンディションの中、
アイルランズコール(3歳未勝利)を追いかける形でスタート。ムキになることなくスムーズに加速し、馬なりのまま併入した。
時計は4F54秒8~1F13秒5と目立たないが、レース当週に速いタイムを出さないのはいつものこと。吉岡厩舎は1週前の土曜が実質的な最終追い。15日はCWコース3頭併せ(6F85秒3~1F11秒9)でビシッと負荷をかけ、心肺機能を強化した。吉岡師は「先週の土曜に一番強い負荷をかけて動きも良かった。今朝はメンタルとリズムの確認。気持ちが乗って、去年春のいい頃の雰囲気に仕上がった」と太鼓判を押す。
阪神大賞典は2年連続参戦。昨年は定年解散した美浦・中野栄治厩舎から転厩初戦で3着、G1初挑戦だった
天皇賞・春も2着に好走。続く
宝塚記念は重馬場を苦にせず豪快に差し切りG1初制覇を飾った。だが、秋は
京都大賞典11着、
ジャパンCと
有馬記念は12着に大敗。不本意なシーズンになってしまった。
指揮官は「去年の秋は暑さに加え、
宝塚記念の疲労が残っていた」と振り返り「
ジャパンCと
有馬記念はゴールを過ぎてからも伸びていて脚を余した感じ。距離延長はいいし折り合いの心配もなくなった」と得意の長距離戦で反撃に燃える。
前走後は栗東近郊のチャンピオンヒルズへ放牧。心身ともにリフレッシュして帰厩した。「しっかり
リセットしてフレッシュな状態。馬体は450キロ近く(前走は432キロ)まで増えた。肉体面が充実して完成期を迎えたかなと思います」と成長ぶりに目を細めた。
6歳世代には
イクイノックスや
ドウデュースなど一時代を築いた名馬がズラリ並ぶ。ハイレベル世代のG1ホースとして再び輝きを取り戻す。
≪
宝塚記念の勝ち馬 出走機会4連勝中≫前年の
宝塚記念勝ち馬は
阪神大賞典が3月に施行されるようになった1987年以降、5頭が出走して【4・0・0・1】の好成績。93年
メジロパーマーからは97年
マヤノトップガン、14&15年
ゴールドシップと出走機会4連勝中。昨年の
宝塚記念覇者
ブローザホーンにとっては吉兆データだ。出走メンバー唯一のG1馬が貫禄を見せつける。
スポニチ